はじめに
こんにちは♬
『からだ職の「まったり」未来設計ラボ‐リベレイス』のTatsuです^^
もし僕があなたに、
と言ったら、あなたはどう思いますか?
「利益こそが努力の通知表なんだから、利益が一番大切だろ。」
「でたでた、精神論だ。」
そう思われるかもしれませんね。
その気持ちは痛いほどよくわかります。
しかし、ある同僚の転落を目の当たりにしたことで、僕は経営のコンパスを180度変えることになりました。
この記事は巷に溢れる「月収7桁を達成する方法」といった、「きらびやかな成功法則」ではありません。
この記事は、僕が幸運にも早くに気づくことができた「利益第一主義」の恐ろしい罠とその罠から抜け出しあなたの治療院(スタジオ)を地域で最も愛される場所にするための具体的な「信頼」の築き方についての実践書です。
第1章:
「利益第一主義」という名の甘美な罠
ある同僚が犯した
忘れられない失敗談
独立してしばらく経った頃、同業の友人である彼と久しぶりに駅前の騒がしい焼き鳥屋でビールを酌み交わしました。
彼は学生時代から誰よりも勉強熱心でその熱量に対して、心から尊敬する一人でした。
しかし、その日の彼の顔は開業当初の輝きを失いジョッキを持つ手には力がなく深く深く疲弊していました。
煙草の煙が立ち込める中、ぽつりと彼が語り始めたのはある一人のクライアント様(Aさんとします)との彼の心を今も苛む出来事でした。
Aさんは長年の腰痛に悩みいくつもの院を渡り歩いた末彼の院を訪れました。
彼の優れた分析力はAさんの根本原因が複雑な生活習慣にあり目先の施術よりもまず丁寧なセルフケアの指導、そして場合によっては精密検査を勧めるべきだと専門家として明確な結論を導き出していました。
クライアントの人生を考えればそれが唯一の「最善」の選択でした。
しかし彼の頭をよぎったのは毎月容赦なく迫ってくる「月末の支払い」という現実。
悪魔が彼の耳元でこうささやきました。
「ここで30万円の回数券を売れば今月を乗り切れる…」
「『本気で根本改善を目指すならこれだけの回数が必要です』と言えば藁にもすがる思いの彼女ならきっと契約してくれるはずだ…」
彼はそのささやきに負けました。
クライアントの未来よりも自分の生存を優先してしまったのです。
誠実じゃない自分の手が汚れているように感じてな…。
そして何よりあれだけ『良くなったら友達を紹介するね!』って言ってくれていたAさんが一度も紹介してくれなかった。
俺の問いかけにもだんだん目が合わなくなっていったんだよ。
そして静かに来なくなった時、俺は30万円と引き換えにもっと大事な二度と取り戻せない何かを失ったんだって気づいたんだよ」
彼はすっかり泡の消えたビールジョッキを見つめながら絞り出すようにそう言いました。
その後、彼の院は徐々に評判を落とし彼は施術への情熱を失っていきました。
この彼の痛みを伴う告白が、僕に「利益第一主義」という考え方の本当の恐ろしさを教えてくれたのです。
彼の物語は他人事ではない。
からだ職人を蝕む「3つの経営ウィルス」
彼の物語は決して特別なものではありません。
独立開業した「からだ職人」は誰もが、この「利益の罠」に陥る可能性があります。
それは私たちの心に静かに感染し、判断力を奪っていく3つの強力な「経営ウィルス」の仕業なのです。
ウィルス①:生存恐怖(サバイバル・フィアー)
毎月の家賃、高価な治療機器のリース代、広告費、そして自分と家族の生活費…。
通帳の残高が減っていく現実は私たちの脳の最も原始的な部分に「生存の恐怖」を直接訴えかけます。
この恐怖は専門家としての冷静で長期的な判断力を、いとも簡単に麻痺させ「今日の売上」という短期的な結果に固執させてしまうのです。
ウィルス②:相対的剥奪感(SNSポイズン)
SNSを開けば目に入る同業者の「月商7桁達成!」「新車を買いました!」という華やかな投稿。
それを見て「それに引き換え自分は…」と感じてしまうのが人の常です。
この「比較という毒」は健全な自己肯定感を静かに蝕み「自分も手っ取り早く稼がなければならない」という焦りを生み出し本来の実直な経営方針を歪ませていきます。
ウィルス③:役割期待への過剰適応(成功者の仮面)
「経営者なのだから稼いで当たり前」
「一家の大黒柱として家族に楽をさせなければ」。
こうした社会的あるいは自分自身で作り上げた「成功者であるべき」という強迫観念がいつしか「クライアントを救う専門家」という本来の目的を「売上を上げる経営者」という役割にすり替えてしまうのです。
あなたは使っていませんか?
信頼を破壊する「詐欺まがい」のセールストーク
これらのウィルスに感染し利益の悪魔に心を乗っ取られた時、私たちは無意識に「嘘の言い回し」を使い始めます。
それは法律的には詐欺でなくとも、クライアントの信頼残高をゼロにし、あなたの未来を奪っていく悪質な言葉の刃です。
要注意!クライアントが離れていく、
「詐欺まがい」トーク集(施術家の場合)
不安を煽る脅迫型
- NGトーク: 「この回数券を買って本気で治さないとあなたの腰痛は一生治りませんよ」
- なぜダメか: 恐怖による支配は信頼ではなく隷属を生むだけ。
クライアントは自律性を失いあなたに依存するか恐怖から逃れるために去っていきます。 - 信頼を築く言い換え: 「ご自身の身体にきちんと向き合い、一緒に〇〇という未来を目指しませんか?」
限定性を悪用する焦燥型
- NGトーク: 「本来は〇〇円ですが今日この場で契約してくれるなら、特別にこの価格です」
- なぜダメか: 「今決めないと損をする」という焦りはクライアントの冷静な判断力を奪います。
後になって「無理やり買わされた」という不信感に繋がります。 - 信頼を築く言い換え: 「あなたの症状にはこのプランが最適だと私は考えます。
今日すぐに決める必要はありませんので、一度ご自宅でじっくり検討してみてください。
あなたの決意が固まった時が改善を始めるベストなタイミングです」
権威性を誇張する虎の威型
- NGトーク: 「多くの有名アスリートも受けている最新の施術法で…」
- なぜダメか: 他人の権威に頼る言葉はあなた自身の専門性への自信のなさの表れです。
クライアントは「あなた」を信頼したいのであってその背景を信頼したいわけではありません。 - 信頼を築く言い換え: 「この施術法は〇〇という点で優れており、これまで私が担当した同様の症状の方々にも△△という良い結果が出ています。
あなたの身体にも、きっと良い変化をもたらすはずです」
無知に付け込む断定型
- NGトーク: (原因は複合的だとわかっているのに)「あなたの不調はすべて骨盤の歪みが原因です」と単純化する。
- なぜダメか: 複雑な問題を単純化して説明するのは一見親切に見えますがクライアントの身体への理解を妨げる不誠実な行為です。
- 信頼を築く言い換え: 「あなたの不調の主な原因は、〇〇にあると考えられますが△△や□□といった生活習慣も影響している可能性があります。
一つずつ原因を紐解きながら一緒に根本改善を目指しましょう」
これらの言葉で契約を取ったとしてもそこに未来はありません。
その小さな不信感があなたの院の未来を静かにしかし確実に蝕んでいくのです。
セルフチェック:
「利益第一主義」に陥っていませんか?
今の自分を客観的に見つめてみましょう。
もし3つ以上当てはまるなら少し立ち止まって経営のコンパスを見直すサインかもしれません。
危険信号チェックリスト
経営面での症状:
- □ クライアントに回数券の話をする時、少し心が痛むことがある。
- □ 「あと〇円で今月の売上目標達成だ」と考える時間が増えた。
- □ クライアントの症状よりも、契約単価やリピート回数が気になる。
- □ 本当は数回の施術で十分だと感じても、長期コースを勧めてしまう。
- □ 自分の専門外かもしれない症状でも、つい「うちで治せます」と言ってしまう。
コミュニケーション面での症状:
- □ ブログやSNSで、少し大げさな表現や実績を使ってしまうことがある。
- □ クライアントからの「ありがとう」よりも、会計時の金額に安堵する。
- □ 施術中に次回予約の話を考えている自分に気づく。
- □ クライアントの「今日は調子がいいです」という言葉に、内心「もう少し通ってほしいのに」と思ってしまう。
- □ 割引や特典の話をする時の方がクライアントの反応が良いと感じる。
精神面での症状:
- □ 最近施術の仕事が「作業」のように感じることがある。
- □ 新規のクライアントが来ないと、強い不安に襲われる。
- □ 同業者の成功報告を見て、嫉妬や焦りを感じることが多い。
- □ 家族との時間中も仕事のことが頭から離れない。
- □ 「この仕事を選んで本当によかったのか」と、疑問に思うことがある。
【診断結果】
- 0-2個:健全な経営マインド。
このまま信頼重視の経営を続けてください。 - 3-7個:黄色信号。
今のうちに軌道修正することでより豊かで持続可能な未来が拓けます。 - 8個以上:赤信号。
あなたの心と事業が悲鳴を上げています。
すぐに経営方針の見直しが必要です。
この記事がそのための第一歩になるはずです。
第2章:ビジネスのOSを入れ替える!
利益が自動で生み出される「信頼残高」という新常識
利益は「結果」、信頼は「原因」
というパラダイムシフト
同僚の痛ましい失敗談から、僕は経営のコンパスを180度転換させました。
それは「信頼残高」という目には見えない資産です。
これは綺麗事ではありません。
極めて戦略的な経営哲学です。
例えるなら利益は「血液」信頼は「心臓」です。
血液(利益)がなければ事業という身体は死んでしまいます。
それは紛れもない事実です。
多くの経営者は貧血(利益不足)を恐れるあまり輸血(割引キャンペーンや、高額な広告などの短期的な売上施策)に頼ります。
しかしそれは対症療法に過ぎません。
本当に向き合うべきは弱った心臓(信頼の欠如)そのものなのです。
力強く健康な心臓(信頼)さえあれば新鮮な血液(利益)は自ずと生まれ事業という身体の隅々まで力強く巡り始めるのです。
僕たちが本当に集中すべきは、どうやって輸血をするかではなくどうやって心臓を強く健康にするか。
だと考えています。
これが「信頼経営」の出発点です。
あなたの価値を築き上げる
「信頼の三位一体モデル」
ではその「心臓」である信頼残高とは、一体何で構成されているのでしょうか。
それは単一の要素ではありません。
以下の3つの信頼が互いに連携し強め合うことで初めて機能する「三位一体のエンジン」なのです。
これを信頼の家づくりに例えてみましょう。
①専門性への信頼(能力信頼):揺るぎない「土台」
「この先生なら私の身体を何とかしてくれるに違いない」
これはあなたの技術や知識実績に対する信頼です。
信頼の家を建てるための絶対に不可欠な「土台」です。
この土台がなければどんな立派な家も建てられません。
②人間性への信頼(人間信頼):安心感を与える「柱」
「この先生は、お金のためじゃなく、本気で私のことを考えてくれている」
これはあなたの誠実さ人柄倫理観に対する信頼です。
強固な土台の上に立つ太くたくましい「柱」です。
クライアントは、この柱があるからこそ「この先生の言うことなら間違いない」と安心して家の中(あなたの治療計画)に入ってきてくれるのです。
③一貫性への信頼(言行一致信頼):全てを守る「屋根」
「この先生は言うこととやることがいつも一致している」
これはあなたの日々の言動に対する信頼です。
土台と柱を風雨から守り家全体を一つの強固な構造物として完成させる「屋根」です。
ブログで語る理念と実際の施術での言動。
特に、小さな約束の時間とクライアントへの態度。
その全てが一貫していることでこの屋根は頑丈になりクライアントは永続的な安心感を得るのです。
僕の院で言えばIASTMのような専門技術(土台)を常に磨きつつ、どんな時もクライアントの未来を最優先する姿勢(柱)を貫き、それをブログや日々の言動で示し続ける(屋根)ことでこの「信頼の家」を少しずつしかし着実に建ててきました。
この3つが揃って初めて「信頼残高」は力強く積み上がり始めるのです。
信頼が生み出す
「5つの自動化された奇跡」
そして、この「信頼残高」という資産は、一度貯まり始めると銀行預金など比較にならないほどの、驚くべき“複利効果”を生み出してくれます。
それはまるで「きれい事」のように聞こえますが、全ては積み上げた信頼から生まれる「必然の結果」なのです。
奇跡①
価格競争からの完全な解放
ある日、長年通ってくださるクライアントさんに、僕は勇気を出して「施術料金の値上げ」を告げました。
独立当初の僕なら、顧客離れを恐れて絶対にできなかったことです。
すると彼女は驚くべきことに笑顔でこう言ってくれたのです。
先生の価値を考えたら当然です。
これからもよろしくお願いします♬」
「信頼」は、あなたを「価格」という呪縛から解き放ちます。
お客様は「値段」ではなく「あなただから」という理由で通い続けてくれるのです。
奇跡②
質の高い「紹介」の自動化
僕の院には、紹介カードの類は一切置いていません。
それでも新規クライアント様の6割が紹介経由です。
彼らは口々にこう言います。
「信頼」は、あなたを最強のセールスパーソンに変身させます。
あなたのファンになったお客様が、熱量を持って「私の大切な人だからぜひ先生に見てほしい」と本当にあなたの助けを必要としている質の高い新規顧客を連れてきてくれるようになるのです。
奇跡③
地域での協力者の出現
先日、クラインと様である整形外科の先生から一本の電話がありました。
以前では考えられないことでした。
信頼は競争相手をも協力者に変えます。
誠実な仕事ぶりは、必ず地域社会に伝わり近隣の医師や他業種の経営者から「〇〇で困っている人がいたら○○さんの所を紹介するよ」と強力な応援団が現れるのです。
奇跡④
採用活動の優位性
僕は開業以来一度も求人広告を出したことがありません。
それでも、今の事業に協力してくださる方々は全員、自ら志願してきてくれた志の高い方ばかりです。
「信頼」は優秀な人材を引き寄せる磁石となります。
「あの院は評判がいい」「あそこで働けば成長できそうだ」という評判が広告費をかけずとも最高の仲間を集めてくれる可能性を秘めているのです。
奇跡⑤
揺るぎない「心の平穏」
以前の僕は、毎晩、無意識のうちに通帳の残高をチェックしていました。
しかし今は違います。
家族との時間も心から楽しめるようになりました。
【「物事の本質を見る力」が根本的に成長したから】です。
信頼はあなたに何物にも代えがたい「精神的な安定」をもたらします。
「自分は良いことをしている」という確信こそ、経営者が得られる最高の報酬かもしれません。
時間を味方につける
「信頼の複利曲線」
ここで最も重要なことをお伝えします。
指数関数的な「複利曲線」を描きます。
- 1年目:種まき期(ほぼ成果ゼロ)
誠実な対応を心がけても、売上はむしろ少し下がるかもしれない最も苦しい時期です。
目に見える成果はほとんどなく、多くの人がここで挫折し利益第一主義に戻ってしまいます。 - 2-3年目:成長期(かすかな手応え)
リピート率が安定しポツポツと紹介が出始めます。
「このやり方で間違っていないかもしれない」とかすかな光が見え始め経営が少しずつ軌道に乗り始めます。 - 4年目以降:収穫期(努力が自動化される)
積み上げた信頼が爆発的な力を生み始めます。
紹介が紹介を呼び広告費ゼロでも新規顧客が途切れなくなる。
地域での評判が確立され、あなたの努力が自動的に成果に繋がる「奇蹟の連鎖」が起こり始めるのです。
多くの人は1年目の「無反応」に耐えきれず種まきをやめてしまいます。
しかし、この「信頼の複利曲線」を知っていれば希望を持って誠実な経営を続けることができるはずです。
そして、この曲線の先で、あなたとあなたの家族が十分に生活し、事業を継続・発展させるための必要十分な「利益」も後から自然とついてくるのです。
第3章:
明日から始める「信頼資産」形成術
―あなたの価値を最大化する4つのコアスキル―
ではこの最も重要な資産である「信頼残高」は具体的にどうすれば貯めることができるのでしょうか。
それは決して難しいことではありません。
日々のささやかでしかし誠実な行動の積み重ねです。
ここでは、あなたの院を愛される場所にするための「4つの具体的なコアスキル」を提案します。
スキル1:圧倒的専門性
―『最後の砦』と呼ばれる存在になる―
(高める信頼:能力信頼)
信頼の揺るぎない「土台」となるのはあなたの専門性つまり「実力」です。
クライアントは自身の身体と大切な未来をあなたの知識と技術に賭けているのです。
その期待に応え続けることは、プロとしての最低限の責務と言えるでしょう。
インプットを「聖域」にする:
週末のセミナー参加は素晴らしいことです。
しかし本当の差がつくのは日々の積み重ねです。
毎朝15分でもいい。
「誰にも邪魔されないプロとしての学びの時間」を聖域として確保しましょう。
専門書を1ページでも読み進める。
その地道なインプットがあなたの臨床に深みを与え言葉に重みをもたらします。
アウトプットで「灯台」になる:
そして、その発信はまだ見ぬ未来のクライアントにとって暗い海を照らす「灯台」の光となるのです。
「こんなに親身に情報をくれる先生なら信頼できるかもしれない」
あなたのGIVEの精神が来院前の信頼残高を静かに積み上げていきます。
専門性を「見える化」する:
謙虚さは美徳ですが、こと専門性においては、誠実な自己開示こそがクライアントへの優しさです。
それはあなたの努力の証でありクライアントが「この先生を選んでよかった」と感じるための何よりの安心材料になるのです。
スキル2:感動的コミュニケーション
―『あなたに出会えてよかった』を引き出す技術―
(高める信頼:人間信頼)
誠実さとは単なる人の好さではありません。
クライアントの未来を最大化するための高度なコミュニケーション技術です。
本当のセッションや施術は、クライアントが心を開き、未来への希望を語り始めた瞬間から始まっています。
完璧なカウンセリングのフレームワーク:
・Step1「徹底的な傾聴」- 答えはすべてクライアントの中にある:
最初の10分は、「解決策や原因を見つけに行こう」という専門家としてのエゴを捨て、ただひたすらクライアントの話を「聴く」に徹してください。
「それはお辛かったですね」と相手の感情に寄り添う。
あなたの仕事はまず相手の心にある重荷を安全な場所で降ろさせてあげることです。
・Step2「未来の深掘り」-『マイナス→ゼロ』から『ゼロ→プラス』へ:
「ボディーメイクが叶ったら何をしたいですか?」
受け手側の役割が「患者」や「クライアント」から「目標達成のパートナー」へと変わる、この瞬間こそ「信頼関係」が生まれる瞬間です。
・Step3「原因と計画の明確な提示」- 希望へのロードマップを共に描く:
専門用語を使わず骨格模型や図を使いながら、希望への道のりを一緒に描きましょう。
「あなたの『お孫さんとキャッチボールをしたい』という未来を叶えるために身体は今こういう状態で原因は〇〇である可能性が高いです。この状態を改善するために、一緒にこの3ヶ月の計画を歩んでいきませんか?」と、専門家として一方的に提示するのではなく、パートナーとして共に歩む姿勢を示すのです。
「断る勇気」こそが最高の信頼を生む:
あなたの院のドアを叩いたすべての人をあなたが救う事は出来ないのです。
「申し訳ありません。この症状であれば〇〇病院の〇〇先生が専門家として有名です。そちらを受診して頂くことが最善だと思います」と。
それによって、紹介した先生が、その悩みが改善した場合、「ちゃんと案内してくれた事に感謝」をしてくれます。
結果として「信頼残高」が上昇します。
この誠実な行動は、目先の売上を失う代わりに、地域社会からの絶大な信頼を得ることに繋がります。
また、そもそも改善不可能の症状(例えば、パーキンソン病やジストニアなどの脳の病変や、構造的問題の出ている腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアに対する根治を目的としたセッション)などを請け負ってしまうことにより、信頼残高は急速に失われます。
なぜなら、結果を出すことが出来ないからです。
しっかりと、今の症状を検査で見抜き、徒手療法や運動療法の適応外である旨を伝える能力が信頼残高を増やしてくれます。
スキル3:信頼の拡大と可視化
― あなたがいない場所でも、
信頼が育ち続ける仕組みを作る―
(高める信頼:言行一致信頼・能力信頼)
あなたがベッドに向かっている時間、家族と過ごしている時間にも、信頼残高を自動で積み上げてくれる仕組み。
それが「情報発信」と「信頼の見える化」です。
① ブログ・SNS:
あなたのオンライン上の分身を育てる
情報発信は「集客」のためだけにやるのではありません。
あなたの専門性と人柄を、まだ見ぬ未来のクライアントへ届けるための「GIVE(与えること)」の実践です。
「〇〇でお悩みの方へ」というブログ記事「1分でできるセルフケア」のInstagram動画。
これらは、全て未来のクライアントへの贈り物であり、あなたの「言行一致信頼」の証拠となります。
② Googleビジネスプロフィール:
現代の「看板」を磨き上げる
施術に満足してくださったクライアントに、とても恥ずかしいですが、勇気をもって、こう伝えてみてください。
〇〇さんと同じように長年悩んでいた方がここに来るのをためらっているかもしれないんです。
〇〇さんの『大丈夫だよ』という一言がその方の背中を押すかもしれません」。
口コミをお願いする行為は未来の誰かを救うための共同作業なのです。
③ 手書きの「お客様の声」:
アナログの力を信じる
デジタル時代だからこそ手書きの文字には強い力が宿ります。
施術後に専用のアンケート用紙をお渡しし、許可を得てクライアントの最高の笑顔の写真付きで院内に掲示するのもよい方法かもしれません。
それはこれから不安な気持ちで待合室に座る人にとって何よりの希望の光となります。
④ 推薦者の声:
「権威」ではなく「信頼の輪」を借りる
連携している医師や他業種の専門家からいただく「推薦文」はあなたの信頼性を飛躍的に高めます。
これは、虎の威を借るのではなく、あなたが地域で築き上げてきた「信頼の輪」を未来のクライアントに見せてあげる行為なのです。
終章:コンパスの針を合わせよう
―「まったり」としかし豊かに生きていくために―
ここまで長い長い手紙を読んでいただき本当にありがとうございます。
僕がこの『からだ職の「まったり」未来設計ラボ – リベレイス』という場所であなたに本当に伝えたい、たった一つのこと。
それは「利益を追いかけるのではなく、信頼を積み上げる」ということです。
結果である利益を追いかけると原因である信頼が損なわれる。
しかし原因である信頼を日々丁寧に誠実に積み上げていけば利益という結果は後から自然とついてくる。
これは僕が、同僚の失敗と自らのプチ成功体験から学んだ経営の真理です。
この道を歩み始めると、あなたの世界は変わって見えます。
家族との時間を犠牲にせず子どもに「お父さん(お母さん)の仕事は人を幸せにする仕事なんだ」と胸を張って言える未来。
そしてあなたの院が地域社会にとってなくてはならない「健康のインフラ」として心から尊敬され愛される未来。
あなたの独立開業という不安と希望に満たた素晴らしい旅路。
そのコンパスの針を目先の「利益」ではなく「信頼」という揺るぎない北極星に合わせてみませんか。
その先には、
・あなた自身の心も満たされる「まったり」と、しかし豊かで持続可能な未来
が待っているはずです。
最終的には、「信頼性」「誠実性」「良心」などの「人間性」と呼ばれるものが「プチ成功の元」に繋がっているように感じます。
「独立開業-経営」は、僕らの「精神性」を、高いところまで連れて行ってくれる、『最高の道の一つ』なのかもしれませんね。
最後まで長い文章を読んでくださり、ありがとうございました^^
ーTatsu


