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【第19章】「お金の話は苦手」を卒業する、やさしいマネー哲学【独立開業した理学療法士・整体師へ】

2025.07.29
4.経営と資産設計
目次

はじめに:「お金を受け取る罪悪感」を克服しましょう

こんにちは。『からだ職の「まったり」未来設計ラボ』のTatsuです。

素晴らしいセッションが終わり、お客様が心からの笑顔で「先生のおかげで、本当に楽になりました!」と言ってくれた、あの瞬間。 私たち「からだ職」にとって、何物にも代えがたい、最高の喜びですよね。

しかし、その直後に、ふっと、少しだけ気まずい空気が流れることはありませんか? そう、「お会計」の瞬間です。

お客様から「ありがとう」と一緒にお金をいただく時に、心のどこかで、ほんの少しだけ罪悪感や、申し訳なさを感じてしまう。 「こんなに喜んでもらえたのに、お金をもらっていいのだろうか…」と。

月末、銀行口座の残高を見るのが、なんだか怖い。 「お金」という言葉を聞くだけで、思考が停止し、無意識に話題を逸したくなる。

もし、あなたがこの感覚に少しでも思い当たる節があるなら。 大丈夫。あなたは、一人ではありません。

かく言う僕も、独立開業した当初は、重度の「お金アレルギー」でした。 レジの「チーン」という音が、まるで自分の価値を値踏みされているようで怖かった。妻に「今月はこれだけしか渡せなくてごめん」と頭を下げた夜は、一度や二度ではありません。

この記事は、そんな過去の僕のような、そして今のあなたのような、心優しき専門家のためのものです。 難しい会計学や、ギラギラした投資の話ではありません。 あなたの「お金」との関係性を、根本から見直し、恐怖や罪悪感の対象から、あなたの人生を豊かにしてくれる信頼できるパートナーへと変えるための、「やさしいマネー哲学」について、僕の失敗談と共にお話しします。

この記事を読み終える頃には、あなたはお金の不安から解放され、お会計の瞬間が「お客様との信頼を確かめ合う喜びの儀式」に変わっているはずです。

【リライト版】第1章:「清貧の呪い」―なぜ、心優しき専門家ほどお金が苦手なのか?―

そもそも、なぜ私たち理学療法士や整体師、ヨガインストラクターは、これほどまでに「お金の話」が苦手なのでしょうか。 それは、決してあなた個人の問題ではありません。私たちの職業倫理や、これまでに受けてきた教育の中に、その深い根があるのです。

原因①:職業倫理という名の「清貧の呪い」

人の身体に触れ、長年の苦痛を和らげるという私たちの仕事は、どこか神聖なものです。私たちは無意識のうちに、その行為に金銭的な価値を結びつけることに強い抵抗を感じてしまいます。「癒しは奉仕であるべきだ」という、声なき道徳観が、私たちを縛っているのです。

まるで、ナイチンゲールやシュバイツァーのような自己犠牲的な偉人像が、私たちの心の奥底で理想のロールモデルになっているかのように。「お金の話をすると、この神聖な空間が汚れてしまうような気がする」。そんな感覚に、心当たりはありませんか?これが、私たちが自らにかけてしまっている「清貧の呪い」の正体です。

原因②:専門教育の「致命的な欠陥」

考えてみてください。私たちが受けてきた専門教育の中で、「経営」や「お金の管理」に関する授業がどれだけあったでしょうか。 私たちは、大腿骨の構造については100時間学んでも、損益計算書の見方については1分も学んでこなかった。最高の技術という「片翼」は与えられても、経営というもう片方の翼がないため、高く飛び立てずに低空飛行を続けてしまう。これが、多くの心優しき専門家が直面する悲しい現実です。

原因③:同調圧力という「見えない檻」

「あの先生は、お金に汚い」。 お客様から、あるいは同業者からそう思われてしまうことへの強い恐怖心。これは、特に「和」を重んじる日本社会で、私たちを縛り付ける強力な「見えない檻」です。

「値段を上げたら、お客さんが来なくなるかもしれない」 「地域で一番安い価格じゃないと、選んでもらえない」

この恐怖が、私たちから適正な価格を提示する勇気を奪い、過当な価格競争へと駆り立てていくのです。

僕の失敗談:安売りが僕の心を歪ませた日

開業当初の僕は、まさにこの3つの呪いに雁字搦めにされていました。 自分の技術に絶対的な自信が持てず、「こんな僕がお金をいただいていいのだろうか」という気持ちから、僕は近隣のどの院よりも安い価格を設定しました。それが誠実さの証だと、本気で信じていたのです。

しかし、現実は残酷でした。 安い価格で働けば働くほど、予約は埋まるのに利益は残らない。身体は日に日に疲弊し、心はすり減っていきました。

そしてある日、僕は自分の中に、あってはならない感情が芽生えていることに気づいてしまったのです。 疲労困憊でベッドに向かう時、心の奥底でこう呟いている自分がいました。

「これだけ頑張っているのに、なぜ、これだけしか報われないんだ」と。

それは、僕を信頼して身体を預けてくださるお客様に対する、あってはならない「不満」でした。お金に対する苦手意識、自分の価値を安売りし続けた結果が、僕の専門家としての誇りや、お客様への感謝の気持ちさえも歪ませてしまっていたのです。

このままではダメだ。 何かが、根本的に間違っている。

僕は、この心の叫びを無視することができませんでした。 この瞬間こそが、僕が「お金」というものに、本気で向き合うことを決意した、長く苦しい旅の始まりだったのです。

あなたにとって、お金とは何ですか? あなたは、自分の価値に、ふさわしい対価を堂々と受け取れていますか? まずは、その問いから、一緒にはじめていきましょう。

第2章:お金の呪いを解く、たった一つの魔法 ―「ありがとうの循環」という新定義―

2-1. 僕を絶望の淵から救った、一杯のラーメン

お金に対する苦手意識がピークに達していた頃の話です。 僕は、自分の院の経営がうまくいかないのを、全て「お金」のせいにしていました。月末の支払いに怯え、お客様から治療費をいただく瞬間には罪悪感を覚え、心はすり減る一方でした。

ある雨の日、その日の予約はキャンセルが相次ぎ、僕は一人、薄暗い待合室で頭を抱えていました。「もうダメかもしれない…」。そんな考えが頭をよぎった時、ふと、近所にある年配のご夫婦が営む、小さなラーメン屋のことを思い出しました。無性に、そこの温かいラーメンが食べたくなったのです。

店に入ると、カウンターだけの小さな店内は、僕と同じように雨宿りをする客で賑わっていました。僕は隅の席に座り、一杯の醤油ラーメンを注文しました。

運ばれてきたラーメンは、決して特別なものではありません。しかし、丁寧に作られたことがわかる、心から温まる味でした。僕は夢中で麺をすすり、スープを飲み干しました。その一杯が、冷え切った僕の心と身体を、じんわりと溶かしていくのを感じました。

会計の時、僕はカウンター越しに800円を店主に渡しながら、心の底から「ごちそうさまでした。すごく美味しかったです」と伝えました。 すると店主は、僕の目をまっすぐに見て、満面の笑みでこう言ったのです。

「こちらこそ、ありがとうね! 雨の中、うちのラーメンを食べに来てくれて。兄ちゃんが美味しそうに食べてくれるのが、一番の励みだよ」

その瞬間、僕の頭に、まるで雷が落ちたかのような衝撃が走りました。

僕は、ただ800円という「お金」を支払っただけではなかった。 僕は、あの美味しいラーメンと、温かい空間、そして店主の心意気に対する「ありがとう」という感謝のエネルギーを、800円という形に変えて渡したんだ。 そして店主は、僕から「お金」を受け取ったのではなく、僕からの「ありがとう」を、喜んで受け取ってくれたんだ。

だとしたら…僕の院で起きていることは、一体何だ?

お客様が僕にお金を支払う時。それは、僕の施術に対する「ありがとう」という感謝のエネルギーのはずだ。 僕が家賃や、勉強のための書籍代を支払う時。それは、僕の活動を支えてくれる大家さんや、著者に対する「ありがとう」という感謝のエネルギーのはずだ。

僕は、お金を汚いもの、怖いものだと一方的に決めつけ、お客様からの「ありがとう」を、きちんと受け取れていなかった。それどころか、自分が支払う家賃や経費を、感謝ではなく「奪われるもの」だとさえ感じていた。 流れを堰き止めていたのは、僕自身だったんだ。

この、たった一杯のラーメンが、僕の「お金アレルギー」を克服する、長く、しかし希望に満ちた道のりの、本当の始まりになりました。

2-2. お金の定義を書き換える:恐怖の対象から、感謝のエネルギーへ

この「お金アレルギー」を克服するための、最も重要で、最もシンプルな第一歩。 それは、お金に対する「定義」を、あなたの中で完全に書き換えることです。

お金とは、汚いものでも、怖いものでもありません。 僕がたどり着いた定義は、お金とは「“ありがとう”のエネルギーが、形を変えたもの」である、という考え方です。

例えるなら、お金は「水」です。 あなたが恐怖や罪悪感から水を堰き止め、溜め込もうとすれば、その水はよどみ、腐っていきます。 しかし、あなたが「ありがとう」という感謝と共に水を流せば、その水は川となって社会を巡り、あなたを含め、関わる全ての人を潤していくのです。

  • お金を受け取ることは、相手からの「ありがとう」を、両手で、心を込めて受け止める神聖な行為です。
  • お金を支払うことは、自分の「ありがとう」を、相手の未来を応援する気持ちを込めて手渡す行為です。

お金とは、社会の中をぐるぐると循環する、温かい感謝の流れそのものなのです。

2-3. この視点が、あなたの日常をこう変える

この新しい定義をインストールすると、あなたの院で起こる日々の出来事の意味が、180度変わって見えます。

お会計の瞬間が、「ありがとうの交換儀式」に変わる

以前は罪悪感を感じていたお会計が、お客様と感謝を交換し合う、素晴らしいコミュニケーションの瞬間に変わります。 「〇〇さん、こちらこそ、大切なお身体を任せていただき、ありがとうございました」 この言葉と共に治療費を受け取る時、それはもはや単なる金銭授受ではありません。相互の感謝と信頼を確認し合う、温かい儀式になるのです。

経費の支払いが、「未来への投資」に変わる

以前は「またお金が出ていく…」とため息をついていた経費の支払いが、未来へのワクワクする投資に変わります。

  • 家賃の支払い:「お客様が安心して通える、この素晴らしい空間を提供してくださり、ありがとうございます」
  • セミナー代の支払い:「新しい知識を得て、もっと多くの人を救う機会をくださり、ありがとうございます」
  • 広告費の支払い:「まだ見ぬ、僕の助けを必要としている人と繋がるきっかけをくださり、ありがとうございます」

全ての支出が、あなたの「ありがとう」を社会に循環させ、より大きな「ありがとう」を未来から呼び寄せるための、意味ある投資になるのです。

価格設定が、「覚悟の表明」に変わる

価格設定は、お客様からいくら「奪う」か、ではありません。 「私は、これだけの価値を提供し、あなたの未来に責任を持ちます」という、社会に対する、あなた自身の“覚悟”の表明です。この話は、後の章でさらに詳しくお話しします。

まずは、あなたの中のお金の定義を書き換えること。 ぜひ、騙されたと思って、今日から試してみてください。 あなたの世界が、少しだけ、色鮮やかに見えてくるはずです。

第3章:お金の不安が「見える安心」に変わる、魔法の「3つのバケツ」仕分け術

3-1. バケツ導入以前:僕の混沌とした「どんぶり勘定」地獄

お金を「ありがとうの循環」と捉え直した僕でしたが、当初、僕の院のお金の流れは、まるで泥水が溜まった一つの水たまりのようでした。 事業用の銀行口座と、個人の財布の区別は曖昧。売上は全て一つの口座にごちゃ混ぜに入金され、そこから家賃や光熱費、勉強のための書籍代、そして家族の食費まで、あらゆるものが無計画に引き落とされていきました。

「このセミナー代(5万円)、払っても大丈夫だろうか…?」
「今月、妻に渡せる生活費はいくらだろう…?」
「来年の税金の支払いは、どうしよう…?」

全ての判断が、勘と度胸。 売上があっても、なぜか手元にお金が残らない。常に漠然とした不安が霧のように立ち込め、夜、ベッドに入ってもお金の計算ばかりが頭をぐるぐると巡っていました。

この混沌とした「どんぶり勘定」地獄から僕を救い出してくれたのが、これからお話しする、極めてシンプルな「3つのバケツ」という考え方でした。

3-2. 哲学から実践へ。お金の流れに「地図」を引く

哲学が変わったら、次は具体的な仕組みです。 安心してください。複雑な会計ソフトや、1円単位の細かい家計簿は必要ありません。あなたの院のお金の流れを、たった3つの「バケツ」に分けて、シンプルに捉えるだけです。

これは単なる経理術ではありません。 第2章でお話しした「ありがとうの循環」を、あなたの人生の隅々まで、意図的に、そして健全に流すための「水路」を作る作業だと考えてください。

3-3. バケツ①:「幸せな暮らしのバケツ」(生活費)― あなたの「足る」を知る ―

一つ目のバケツは、あなたとあなたの家族が、安心して心穏やかに暮らすために必要なお金です。 ここで最も大切なのは、「もっと、もっと」と無限の欲望を追いかけるのではなく、「これだけあれば、私たちは十分に幸せだ」という、あなただけの「満足のボーダーライン」を、意識的に知ることです。

【実践ワーク】あなたの「幸せな暮らしの値段」を見つけよう

一度、ご家族と一緒に、静かな時間を作って書き出してみてください。 「私たちの家族が、心から『幸せだね』と感じるために、本当に必要なものは何だろう?」

  • 週に一度、家族で外食する時間?
  • 年に一度、温泉旅行に行くこと?
  • 子どもがやりたい習い事を、応援してあげられること?

驚くほど、多くの「幸せ」は、莫大なお金を必要としないことに気づくはずです。 そこで計算された金額が、あなたの「満足のボーダーライン」です。それは、あなたを縛る「上限」ではありません。あなたを無限の欲望から解放してくれる、「自由の基準線」なのです。 毎月、売上が入ったら、まず最初にこのバケツを、計算した金額で満たしてあげましょう。

3-4. バケツ②:「ありがとうの循環バケツ」(事業経費)― 支出を「GIVE」に変える ―

二つ目のバケツは、あなたの院が、お客様に最高の価値を提供し続けるために必要なお金です。家賃、水道光熱費、消耗品費、そして何より、あなたの学びのための自己投資。

お金アレルギーだった頃の僕は、これを「コスト」や「出ていくお金」と捉え、支払いのたびに胸を痛めていました。 しかし、お金が「ありがとうの循環」であると理解した今、このバケツは、未来への「GIVE」であり、「投資」だと考えています。

  • 家賃の支払い: お客様が安心して通える、この素晴らしい空間への「ありがとう」
  • セミナー代の支払い: 新しい知識で、もっと多くの人を救う機会への「ありがとう」
  • 施術ベッドの購入費: お客様が心からリラックスできる体験への「ありがとう」

このバケツのお金を使う時、「これは、未来のクライアントの笑顔に繋がっているんだ」と意識してみてください。支出の痛みが、未来への期待に変わるのを感じられるはずです。

3-5. バケツ③:「心の平穏バケツ」(貯蓄・投資・納税)― 不安を打ち消す「心の砦」を築く ―

そして、これがあなたの「心の平穏」を創り出す、最も重要なバケツです。 売上から①と②を引いた残りのお金は、全てこのバケツに入れます。このバケツの存在が、第1章で述べた「生存への恐怖」という経営ウィルスから、あなたを完全に守ってくれます。

このバケツの中身は、さらに3つの小さな部屋に分かれています。

  • 【守りの部屋】生活防衛資金:
    あなたと家族の生活費(バケツ①の金額)の、最低6ヶ月分を貯める部屋です。これは、あなたの心の「砦」であり、万が一、病気や怪我で働けなくなっても、半年間は安心して暮らせるという絶対的な安心感を与えてくれます。この砦があるからこそ、目先の利益に惑わされず、長期的な視点で誠実な経営を貫けるのです。
  • 【攻めの部屋】資産運用資金:
    生活防衛資金が貯まったら、次はこの部屋です。NISAやiDeCoといった制度を活用し、お金にも働いてもらう仕組みを作ります。これは、あなたの「心の農場」です。あなたが寝ている間も、未来のために、静かに、しかし着実に資産という作物を育ててくれます。
  • 【義務の部屋】納税資金:
    個人事業主が最も恐怖する「税金の支払い」に備える部屋です。利益の約20〜30%を、あらかじめこの部屋に分けておきましょう。これは、あなたが安心して事業ができる社会への「ありがとう」です。事前に分けておくだけで、確定申告の時期の、あの心臓が縮むようなストレスから、完全に解放されます。

この3つのバケツがあるだけで、あなたは「漠然としたお金の不安」から解放され、自分の現在地をいつでも冷静に把握し、自信を持って未来への舵を切れるようになるのです。

第4章:価格設定という名の「価値の言語化」― あなたの覚悟に、値段をつける ―

「お金の話が苦手」な人が、最後にぶつかる最大の壁。それが「価格設定」です。

開業当初の僕は、近隣の最安値に合わせて「1回60分、4,000円」という価格をつけました。しかし、その価格でお客様から「ありがとう」と言われるたびに、僕の心は満たされるどころか、少しずつすり減っていきました。 なぜなら、僕が提供しているのは60分のマッサージという「作業」ではなかったからです。 僕が提供したかったのは、クライアントの「孫を痛みなく抱き上げられる未来」であり、「諦めていた趣味の登山に再び挑戦できる身体」でした。4,000円は、そのかけがえのない未来の価値を表現するには、あまりにも安すぎたのです。

これも哲学を変えれば、怖くなくなります。 価格設定とは、お客様からいくら「もらうか」を決める行為ではありません。 「私は、これだけの価値を提供し、あなたの未来に責任を持ちます」という、社会に対する、あなた自身の“覚悟”の表明なのです。

では、どうすればその「覚悟」を、自信を持って価格という数字に変換できるのでしょうか。 僕は、3つの視点から価値を計算する「価値算定トライアングル」を意識しています。

  1. 技術的価値(ベースの価値)
    これは、あなたの施術時間、院の家賃や光熱費、これまでの学びにかけてきた自己投資など、事業を継続するための最低限のコストを反映した、いわば価格の「土台」です。近隣の相場を調査するのは、彼らに合わせるためではなく、この土台の基準を知るために行います。
  2. 結果的価値(クライアントが得る未来の価値)
    あなたの施術がもたらす「結果」の価値です。考えてみてください。もし、あなたの施術でクライアントの慢性的な腰痛が改善されたら、その方は今後、痛み止めや湿布にいくらのお金を使わずに済むでしょうか?仕事のパフォーマンスが上がり、どれだけの収入増に繋がるでしょうか?何より、痛みから解放され、笑顔で過ごせる毎日は、プライスレスな価値を持っているはずです。
  3. 感情的価値(「あなただから」という唯一無二の価値)
    これが最も重要です。なぜ、お客様は他の院ではなく、「あなた」を選ぶのでしょうか。そこには、あなたの専門性、誠実な人柄、院の心地よい空間、これまでのストーリー、その全てに対する「信頼」という感情的な価値が存在します。この価値こそが、あなたの院を価格競争から完全に解放し、唯一無二の存在にするのです。

あなたの施術は、単なる時間の切り売りではありません。 お客様の長年の痛みから解放された未来。お客様が、新しい自分に出会う、人生の変化のきっかけそのものです。 自信を持って、あなたの価値に見合った価格を提示すること。 それは、あなたの専門性と、これまでの努力を、あなた自身がリスペクトする、という行為なのです。

終章:お金と“親友”になり、あなたの物語を始めよう

ここまで、長い長い手紙を読んでいただき、本当にありがとうございます。 「お金の話が苦手」を卒業するために、あなたが会計のプロになる必要はありません。

お金を「感謝の循環」と捉え直し、
「3つのバケツ」で流れをシンプルに見える化し、
自分の「価値」を信じて、覚悟を持って価格を提示する。

まずは、この3つを意識することから始めてみてください。

「清貧の呪い」に縛られ、どんぶり勘定地獄でもがいていた僕が、今、心から確信していることがあります。 お金は、あなたを縛り付ける「鎖」ではありません。 正しく向き合い、信頼関係を築くことで、あなたの独立開業という、素晴らしい旅路を、どこまでもサポートしてくれる、最高の“親友”になってくれるはずです。

考えてみてください。 良い親友は、時に厳しい現実(経営の数字)を正直に教えてくれます。 良い親友は、あなたの夢(新しい学びや挑戦)を、全力で応援してくれます。 良い親友は、あなたに自由(生存への恐怖からの解放)を与えてくれます。

そして、良い親友と付き合う秘訣は、まず自分から相手をリスペクトし、誠実に向き合うことですよね。 お金との関係も、全く同じなのです。

【今週から始める、お金と親友になるための3つのステップ】

  1. 「ありがとう」を口にする: 財布からお金を出す時、心の中で「ありがとう」と唱えてみてください。感謝のエネルギーを乗せて、お金を社会に送り出してあげましょう。
  2. バケツを準備する: 難しいことは考えず、まずは銀行口座を2つ追加で開設するか、机の引き出しに封筒を3つ用意するだけでも構いません。流れを分ける場所を作りましょう。
  3. あなたの価値を書き出す: あなたの施術やレッスンが、お客様の人生にどんな素晴らしい変化をもたらすのか、最低10個、ノートに書き出してみてください。それが、あなたの価格の源泉です。

この小さな一歩が、あなたとお金との関係を、そしてあなたのビジネスの未来を、大きく変えるきっかけになることを、心から願っています。

最後まで長い文章を読んでくださり、ありがとうございました^^
ーTatsu

「黄金の羽」を集める旅を続ける(次‐第20章を読む)

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整体師(柔整/ロルファー™)&上級ヨガ講師

タツ(33歳)。妻子あり。 開業当初の大きなプレッシャーを、SNSに頼らない**「静かなWeb集客」**で乗り越え、経済的自由を実現しました。 「開業したのに、お金の不安で心が休まらない」 そんな過去の自分と同じ"不幸の種"をなくしたい一心で、僕の経験の全てをこのラボで発信しています。あなたの未来を設計するヒントを見つけてください。

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