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【第17章】なぜ儲からないサロンがあるのか?利益が出ないサロンに共通する5つの“病”

2025.08.03
4.経営と資産設計
目次

はじめに:
「腕はいいのに、なぜかお金が残らない…」
全ての独立開業者が抱える、静かなる悩み

こんにちは♬
『からだ職の「まったり」未来設計ラボ』のTatsuです^^

今日もあなたは、目の前のお客様や生徒様と、真摯に向き合っていることと思います。

素晴らしいセッションが終わり、お客様が心からの笑顔で「先生、本当に楽になりました!」と言ってくれた、あの瞬間。
理学療法士として、的確なアプローチができた時。
整体師として、長年の痛みを解放できた時。
ヨガやピラティスのインストラクターとして、クラス全体が美しい一体感に包まれた、シャバーサナの後。
パーソナルトレーナーとして、クライアントが自己ベストを更新した、歓喜の瞬間。
私たち「からだ職」にとって、最高の喜びであり、報酬ですよね。

しかし、その日の夜、一人で静かに、今月の売上と経費を計算している時。
あなたの心に、ふと、こんな、冷たい疑問がよぎることはありませんか?

「あれ…?
今月も、こんなに一生懸命働いたのに、なぜ、手元には、これだけしかお金が残らないんだろう…」

技術には、自信がある。
お客様からの評判も、決して悪くない。
誰よりも、真面目に、誠実に、この仕事と向き合っている、という自負もある。
なのに、なぜか、いつもお金の不安がつきまとう。
なぜか、心の平穏が、遠い。

その、誰にも言えない、言語化できない「なぜ?」という、静かなる悩み。
この記事は、その「なぜ?」の正体に、あなたと共に、メスを入れるためのものです。

この記事の目的:
経営の“病”を特定し、
具体的な「処方箋」を渡す

この記事は、あなたの経営の「健康診断」です。
僕が、自らの痛みを伴う経験から特定した、利益が出ないサロンに共通する「5つの“病”」
それらは、あなたの経営を、静かに、しかし確実に蝕んでいく「病原菌」です。

この記事を通して、あなたのサロンが、

  • どの病に、
  • どれくらい深く、
  • なぜ、 侵されてしまっているのかを、冷静に、そして客観的に、一緒に診断していきましょう。

そして、ただ診断するだけではありません。
それぞれの病に対して、僕が実際に試して、効果があった、具体的な「処方箋」を、あなたにお渡しします。

この教科書を読み終える頃には、あなたは、自分のお店の「主治医」として、あなたの経営を、根本から「健康」で「豊か」な体質へと、変えていくための、確かな知識と、自信を手にしているはずです。

さあ、あなたの、大切な城の、健康診断を始めましょう。

第一章:【病①】経営アレルギー
―「職人」でいるだけで、「経営者」になっていない―

独立開業という、希望に満ちた道を歩み始めた、あなたへ。
この章では、まず、私たちの多くが、無自覚のうちに感染してしまっている、最も厄介な“病”について、お話ししたいと思います。
その病の名は、「経営アレルギー」です。

これは、技術は一流、想いも本物。
しかし、経営というものに、なぜか強い抵抗感を感じてしまう、私たち心優しき「からだ職」特有の、アレルギー症状です。

【症状チェックリスト】
あなたは、いくつ当てはまる?

まず、あなた自身の「健康診断」から始めましょう。
以下の3つの症状に、あなたは、いくつ、心当たりがありますか?

  • □ 自分の店の、先月の「純利益」をざっくりにでも、即答できない。(意図的に計算していない場合は、OKです。)
    誰かに「ビジネス、順調?」と聞かれた時、「おかげさまで、忙しくさせてもらっています」と、笑顔で答える。
    しかし、もし「で、先月、いくら利益が残ったの?」と突っ込まれたら、途端に言葉に詰まってしまう。
  • □ 確定申告の時期になると、毎年、憂鬱になる。
    1年の集大成であるはずの、確定申告。
    しかし、あなたにとっては、1年分の領収書の山と向き合う、苦痛で、憂鬱な「罰ゲーム」になっていないでしょうか。
  • □ 「数字の話は、苦手だ」と、公言してしまっている。
    「私は、感覚派だから」「数字よりも、お客様の笑顔が大切だから」。
    その言葉を、あなたが、数字という現実から目を背けるための「言い訳」や「盾」として、使ってしまってはいないでしょうか。

もし、一つでも、心当たりがあったなら。
大丈夫。
何も、恥じることはありません。
なぜなら、かつての僕は、この3つの項目すべてに、大きな花丸がついてしまうほどの、重度の「経営アレルギー」患者だったのですから。

【根本原因】
技術への“過信”と、数字への“アレルギー”

なぜ、私たちは、このアレルギーを発症してしまうのでしょうか。
その根本原因は、私たちの職業が持つ、素晴らしい「美徳」そのものに、皮肉にも隠されています。

それは、「良い施術さえしていれば、経営は後からついてくる」という、甘美で、危険な幻想です。

理学療法士として、医学的根拠に基づいた、正しいアプローチを提供すること。
整体師として、繊細な手の感覚で、お客様の痛みを取り除くこと。
ヨガ・ピラティスインストラクターとして、心と身体の調和へと、人々を導くこと。
パーソナルトレーナーとして、クライアントの目標達成に、全力で伴走すること。
その「職人」としての、純粋で、ひたむきな探求心。
それこそが、私たちの仕事の、最も尊い部分です。

しかし、その「技術への過信」が、私たちに、経営者として向き合うべき、もう一つの現実——つまり「数字」から、目を背けさせてしまうのです。
私たちは、無意識のうちに、こう思っています。

「利益を計算するのは、がめつい」「お金の話は、汚らわしい」と。

この「数字へのアレルギー」が、あなたの素晴らしい技術と情熱を、社会に届けるための「血流」を、静かに、しかし確実に、滞らせていくのです。

【処方箋】会計ソフトを“相棒”にする。
たった3つの数字だけを見る、
超シンプル経営分析術

この「経営アレルギー」を克服するために、あなたが、分厚い会計の本を読む必要はありません。
必要なのは、たった一つの「処方箋」と、毎月、たった3つの「数字」と、向き合う習慣だけです。

処方箋:
会計ソフトを、“相棒”にする

僕があなたに、まず、お勧めしたいこと。
それは、「マネーフォワード クラウド確定申告」や「freee」といった、クラウド会計ソフトを、今すぐ、導入することです。
これらは、難しい会計処理を自動化してくれる、ただの「ツール」ではありません。
あなたの経営状態を、24時間、文句も言わずに見守り、客観的なデータを示してくれる、最高の「相棒」なのです。

超シンプル経営分析術:
見るべきは、たった3つの数字

そして、その相棒が示してくれる、たくさんの数字の中から、あなたが、まず、見るべき数字は、たったの3つです。

  1. 売上: これは、あなたが、その月、お客様からいただいた「ありがとうの総量」です。
  2. 固定費: これは、あなたのお店が、そこに存在するだけで、毎月、必ずかかる「家賃」のようなものです。
    (例:テナント料、ホームページのサーバー代、水道光熱費の基本料金など)
  3. 変動費: これは、お客様が増えれば増えるほど、一緒に増えていく「仕入れ」のようなものです。
    (例:施術で使うオイル代、タオルクリーニング代、クレジットカードの決済手数料など)

この3つの数字を、月に一度、ただ、眺めてみてください。
そして、「今月は、売上に対して、固定費の割合が、少し高かったな」「来月は、もう少し、変動費を抑える工夫をしてみようか」と、考える。
この、自分の経営を、客観的に「観察」する、静かな習慣こそが、あなたを、単なる「職人」から、自分の未来を、自分の手でコントロールできる、賢明な「経営者」へと、変えていくのです。

第二章:【病②】安売り依存症
―価格ではなく「値段」で勝負している―

第一章で、私たちは「経営アレルギー」という病について学びました。
次にお話しする第二の病は、それと密接に関係しています。
それは、あなたの独立開業という、素晴らしい船出を、座礁させてしまう、恐ろしい病。

その名は、「安売り依存症」です。

これは、自分の価値を信じることができず、「安さ」という、刹那的な安心感に依存してしまう、心の病です。

【症状チェックリスト】
あなたの価格は、“恐怖”から生まれていないか?

まず、あなた自身の心を、正直に、見つめてみてください。
以下の3つの症状に、心当たりはありませんか?

  • □ 近隣の競合店の値段ばかり、気にしてしまう。
    自分のサービスの価格を決める時、真っ先に、Googleマップで近所のライバル店の値段を調べてしまう。
    そして、「あの店より、高くしてはいけない」という、見えないプレッシャーを感じている。
  • □ お客様に料金を伝える時、少しだけ、声が小さくなる。
    最高のセッションが終わり、お客様も笑顔。
    しかし、お会計の瞬間に、「〇〇円です」と口にする時、ほんの少しだけ、声が上ずったり、早口になったり、申し訳なさそうな気持ちになったりする。
  • □ 「値上げ」という言葉を、考えただけで、怖い。
    予約は埋まり、忙しい日々。
    しかし、利益は、思うように残らない。
    本当は「値上げ」をすべきだと分かっている。
    しかし、それを考えるだけで、お客様が離れていく恐怖が、心臓を鷲掴みにする。

もし、一つでも、深く頷いてしまったなら。
大丈夫。
あなたは、一人ではありません。
僕も、かつては、この3つの症状全てを抱えた、重度の患者でした。

【根本原因】
自分の“価値”を、自分自身が信じられていない

なぜ、私たちは、この「安売り」という、甘い麻薬に、手を出してしまうのでしょうか。
その根本原因は、たった一つです。
それは、「あなた自身が、あなたの提供する“価値”を、心の底から、信じられていない」からです。

あなたの価格は、あなたの「自信」の鏡です。
そして、安い価格は、無意識のうちに、あなた自身が、世界に対して、こう宣言してしまっているのです。

「私には、この程度の価値しかありません」と。

特に、私たち「からだ職」は、この罠に陥りやすい。
理学療法士として、病院という大きな組織の庇護のもとで働いてきた経験。
ヨガやピラティスのインストラクターとして、「癒し」や「精神性」を大切にするあまり、お金儲けを「汚いもの」と感じてしまう、純粋な心。
その、あなたの素晴らしい「謙虚さ」や「優しさ」が、独立開業という、厳しいビジネスの世界では、時として、あなたの首を絞める「弱さ」へと、変わってしまうのです。

【処方箋】
「価値」を基準にした、価格設定の全技術
(フロントエンド・バックエンド、松竹梅)

この、長く、暗い「安売り地獄」から、僕を救い出してくれた、希望の光。
それが、「価値」を基準にした、価格設定の考え方でした。

この「処方箋」は、あまりにも重要で、深いテーマなので、このラボの、別の「教科書」で、1万文字を超えるボリュームで、詳細に解説しています。

【価格設定の教科書】を読む

ここでは、そのエッセンスだけを、お伝えします。
それは、あなたの価格設定のOSを、根本からアップデートする、3つの強力な概念です。

  1. 「価値」で値段を決める、という革命: 「時間」で売るのをやめ、あなたが提供する、お客様の「理想の未来」に、値段をつける。
  2. 「フロントエンド・バックエンド」戦略: 低価格な「初回体験(フロントエンド)」で、まず、お客様との信頼関係を築く。
    そして、その信頼してくれた方にだけ、あなたの本命である、高単価な「根本改善プログラム(バックエンド)」を、提案する。
  3. 「松竹梅メニュー」: 高単価なバックエンド商品を、3段階の価格帯で用意することで、お客様が、自らの意思で、あなたに最も利益をもたらしてくれる、真ん中の「竹」コースを選びたくなる、という心理学的なアプローチ。

これらの技術は、あなたが、罪悪感なく、お客様に感謝されながら、自信を持って、高い価格を提示することを可能にしてくれます。
そして、それこそが、この「安売り依存症」という、根深い病を、完治させるための、唯一の処方箋なのです。

第三章:【病③】新規顧客至上主義
―穴の空いたバケツで集客している―

第一章、第二章で、あなたは「経営者」としての視点と、「価値」に基づいた価格設定の考え方を手に入れました。
しかし、どんなに素晴らしいサービスも、それを受け取ってくれるお客様がいなければ、始まりません。
そこで、私たちは「集客」という、新しいステージに進みます。

しかし、このステージには、多くの起業家がハマってしまう、深く、そして気づきにくい「沼」が、口を開けて待っています。

それが、「新規顧客至上主義」という名の、病です。

【症状チェックリスト】
あなたは、目の前の“宝物”を見過ごしていないか?

まず、あなた自身の「健康診断」から始めましょう。
以下の3つの症状に、心当たりはありませんか?

  • □ 新規集客のための、SNS投稿や広告に、毎日、多くの時間を使っている。
    あなたの1日のタスクリストは、「インスタ投稿」「ブログ更新」「チラシ作成」といった、「新しいお客様を見つける」ための行動で、埋め尽くされていませんか?
  • □ あなたのお店の「リピート率」を、正確な数字で、把握していない。
    「先月、何人の新規のお客様が来て、そのうち、何人が、今月も予約してくれたか?」 この、あなたの経営の、最も重要な「健康指標」を、あなたは、即答できますか?
  • □ 一度来てくれたお客様への、定期的なフォローが、できていない。
    お客様がお店のドアを出た瞬間、あなたとお客様の関係は、次の予約の日まで、途切れてしまっていませんか?

もし、一つでも、ドキッとしたなら。
大丈夫。
僕も、かつては、この3つの症状全てを抱えた、重症患者でした。
あなたは、ただ、目の前にある「宝物」の価値に、まだ気づいていないだけなのです。

【根本原因】
マーケティングを「狩り」だと、勘違いしている

なぜ、私たちは、これほどまでに「新規顧客」という、新しい獲物を追い求めてしまうのでしょうか。
それは、私たちが、マーケティングの本質を、「狩猟」だと、勘違いしてしまっているからです。

「狩猟型」の集客とは、毎日、新しい獲物(新規顧客)を追い求め、草原を走り回り、矢を放ち続ける、という生き方です。
それは、スリリングで、獲物を仕留めた瞬間には、大きな達成感があるかもしれません。
しかし、その営みは、あまりにも、不安定で、そして、消耗します。
明日の獲物が、今日と同じように、見つかる保証は、どこにもないのですから。

しかし、僕があなたに提案したいのは、全く違う生き方です。
「農耕型」の集客。
それは、新しい獲物を追い求めるのではなく、あなたの目の前にある「畑(既存のお客様)」を、丁寧に、愛情を込めて、耕し、育てるという、生き方です。

種を蒔き(初回体験)、水をやり(日々のコミュニケーション)、雑草を取り除き(不安の解消)、太陽の光を注ぐ(価値の提供)。
そうして育てた畑は、一度実れば、毎年、安定して、あなたに豊かな恵みをもたらしてくれます。

私たち理学療法士やヨガインストラクターは、本来、狩人ではありません。
お客様の身体と、人生という畑を、長期的な視点で、共に耕していく「農耕民族」のはずです。
あなたのマーケティングも、そうあるべきだとは、思いませんか?

【処方箋】リピート率80%超えを実現する。
「信頼残高」を積み上げる、ファン化の仕組み

では、どうすれば、あなたのバケツの穴を塞ぎ、一度入れた水を、蒸発させずに、満たし続けることができるのか。
そのための処方箋は、お客様を、単なる「顧客」から、あなたのビジネスを支えてくれる、熱狂的な「ファン」へと育てる、具体的なコミュニケーション術です。

  1. 初回のセッションで、「未来」を体験させる
    最初のセッションは、単なる「お試し」ではありません。
    お客様が、「この先生と一緒なら、私の未来は、変わるかもしれない」と、感動し、期待を抱くための、「予告編映画」なのです。
    あなたの持つ、最高の技術と、最高の知識を、惜しみなく、注ぎ込んでください。
  2. 「ゴールデンタイムの24時間」を、絶対に逃さない
    お客様が、最も感動と熱量を維持している、初回来店から24時間以内。
    このゴールデンタイムに、あなたからの一通の、パーソナルなメッセージが届くかどうかで、リピート率は、劇的に変わります。
    「〇〇様、本日はありがとうございました。
    その後、お身体の調子はいかがですか?
    お伝えしたセルフケア、もし分からなければ、いつでもLINEで聞いてくださいね」 この、たった一言の気遣いが、お客様の心を、鷲掴みにします。
  3. 「関係」を育む、定期的なコミュニケーション
    次の予約まで、お客様を放置してはいけません。
    月に一度でも構いません。
    LINEや、ニュースレターで、お客様の役に立つ、売り込みのない、純粋な健康情報を、届け続けてください。
    あなたは、お客様にとって、「身体が痛くなった時に、行く場所」から、「日々の健康を、見守ってくれる、頼れるパートナー」へと、変わっていくのです。
  4. 次の「ステップ」を、明確に提示する
    そして、お客様との信頼関係が十分に築けた時。
    「〇〇さんの身体を、本当の意味で根本から変えるためには、次からは、このコースで、こういうアプローチをしていきませんか?」と、お客様の未来のための、次のステップを、自信を持って、提案するのです。

この、丁寧で、誠実な、一つひとつの積み重ねこそが、あなたのバケツの穴を、完璧に塞ぎ、あなたのビジネスを、決して枯れることのない、豊かな泉へと、変えてくれるのです。

第四章:【病④】労働集約モデル依存症
―自分の「時間」だけを切り売りしている―

ここまで、あなたは経営者としての視点を手に入れ、価格を決め、お客様との信頼を築く方法を学びました。
その結果、あなたの予約表は、お客様の名前で、びっしりと埋まっているかもしれません。
おめでとうございます!しかし、同時に、危険な兆候に、気づいていませんか?
それは、成功の果実のように見えて、実は、あなたの自由を、静かに奪っていく、第四の病。
「労働集約モデル依存症」です。

【症状チェックリスト】
あなたの年収の“上限”が、
見えてしまっていないか?

  • □ あなたが休んだら、売上はゼロになる。
    1週間の休暇を取ることを考えると、ワクワクする気持ちよりも先に、「〇〇円の売上を失う」という、冷たい計算をしていませんか?
  • □ 収入を増やすには、自分の労働時間を増やすしか、方法がない。
    「もっと稼ぎたい」と思った時、あなたの頭に浮かぶ選択肢が、「朝の予約枠を、あと一つ増やす」「休日を、一日潰す」ということだけになっていませんか?
  • □ これ以上、予約枠を増やすことは、物理的に不可能だ。
    あなたのスケジュールは、すでに満杯。
    あなたは、自分の時間の全てを、今のビジネスに捧げている。

もし、これらが、あなたの現実であるなら。
あなたは、成功への階段を順調に登っているように見えて、実は、「年収の天井」が、すぐそこに迫っている、非常に危険な状態なのです。

【根本原因】
「経営者」ではなく
「自分の店の、一番忙しい従業員」になっている

なぜ、こんなことが起こるのでしょうか。
それは、あなたが、独立開業したはずなのに、その意識が、「自分の店の、一番忙しい“従業員”」のまま、止まってしまっているからです。

理学療法士や整体師として、目の前のお客様に、最高の施術を提供する。
ヨガやピラティスのインストラクターとして、最高のレッスンを提供する。
パーソナルトレーナーとして、最高のトレーニングを提供する。

その「プレイヤー」としての仕事に、あなたは、あまりにも誠実で、優秀すぎるのです。
しかし、「経営者」の本当の仕事は、プレイヤーとして、現場で汗を流すことだけではありません。
「自分が、現場にいなくても、お客様に価値が届き、収益が生まれる“仕組み”を作る」こと。
それこそが、経営者の、最も重要な仕事なのです。

もしくは、僕のように、「最大利益」か「最大幸福感」を選ぶタイミングである可能性が高いです。

【僕の失敗談】
予約満杯で燃え尽きた僕が、
1日4時間労働に切り替えるまで

僕も、この罠に、どっぷりとハマっていました。
開業3年目、僕のサロンは、予約満杯の「成功」状態でした。
しかし、僕の心と身体は、疲弊のどん底でした。
朝から晩まで、お客様の身体を癒し続け、自分の身体は、悲鳴を上げている。
売上は最高潮。
しかし、僕の人生の満足度は、最低でした。
僕は、自由を求めて起業したはずなのに、自分で作り出した鳥かご」に、囚われていたのです。
その時、僕は、全てを失う覚悟で、働き方を180度変える、大きな実験に出ました。
1日の労働時間を、4時間に制限したのです。
その結果、僕は、初めて「仕組み」について、本気で考えるようになりました。

【処方箋】時間を“レバレッジ”する。
施術以外の「収入の柱」の作り方

その答えが、「レバレッジ(てこの原理)」という考え方です。
あなたの「1」の労力で、「10」や「100」の価値を生み出す。
そのための、具体的な「収入の柱」の作り方を、いくつかご紹介します。

  • オンライン講座: あなたの専門知識を、動画コンテンツにして販売する。
    一度作れば、あなたが寝ている間も、その講座は、世界中の生徒に、価値を届け続けてくれます。
  • セミナー: あなたの技術を、他の専門家に教える。
    1対1の施術が「足し算」なら、1対多のセミナーは「掛け算」です。
  • 物販: あなたが、心から良いと信じられる、セルフケアグッズや、健康食品を、お客様に紹介する。
  • 電子書籍: あなたの哲学やノウハウを、一冊の本にまとめる。

これらの「仕組み」が、あなたを、単なる「時間労働者」から、本当の意味での「自由な経営者」へと、解放してくれるのです。

僕自身も、空いた時間を使って、施術やレッスン以外の「やりたい事」を事業にすることが出来たため、合計売上は、施術+ヨガだけを行っているときの1.5倍くらいになっています。
時間を意図的に作ることで、自分の中で「他にもやりたい事」が見えてくるかもしれませんよ。

第五章:【病⑤】無計画航海シンドローム
―行き先のない船に乗っているあなたへ―

毎日、クライアントさんのために一生懸命になっている、心優しいあなたへ。

目の前の人の「楽になったよ、ありがとう」という言葉や笑顔が、何よりの原動力ですよね。
朝早くから夜遅くまで、技術を磨き、知識を深め、一人ひとりに真摯に向き合う。
その誠実で素晴らしい仕事ぶりに、心から敬意を表します。

でも、ふとした瞬間に、こんな気持ちになることはありませんか?

「毎日こんなに頑張っているのに、なぜか心が満たされない…」

「このままずっと、同じ働き方を続けていけるんだろうか…」

「私の人生、この先どうなっていくんだろう…」

まるで、広大な海の上で、エンジンの音は高らかに鳴り響いているのに、船がどの方角へ進んでいるのか分からない。
そんな感覚。

私は、この状態を「無計画航海シンドローム」と名付けました。

これは、決してあなたが不真面目だからとか、情熱がないから起こるものではありません。
むしろ逆です。

あまりにも真面目で、誠実で、目の前のクライアントさんに全力を注いでいるからこそ、陥ってしまいがちな「病」なのです。

この章では、そんなあなたの心の霧を晴らし、あなただけの羅針盤を手に入れるための、温かい処方箋をお渡ししたいと思います。
あなたの船の船長は、他の誰でもない、あなた自身なのですから。

【症状チェックリスト】
自分の“1年後”を、具体的に語れるか?

少しだけ、あなたの心を覗いてみましょう。

正直な気持ちで、以下の質問に心の中で答えてみてください。

  • □ 1年後の今日、あなたはどんな働き方をしていますか?
    (週に何日、1日に何人のクライアントさんを、どんな想いで迎えていますか?)
  • □ 1年後のあなたの収入は、今と比べてどうなっていますか?
    (その増えた(あるいは調整した)収入で、何を実現していますか? 好きなものを買ったり、大切な人と旅行に行ったりしていますか?)
  • □ 1年後、あなたの周りには、どんなお客様が集まっていますか?
    (あなたの理想とする、心から「この人の力になりたい」と思えるお客様に囲まれていますか?)
  • □ 1年後、あなたはどんな新しいスキルや知識を身につけて、自信を持って提供していますか?
    (ずっと学びたかったあの手技、気になっていたあの資格は、どうなっていますか?)
  • □ 1年後、あなたのプライベートは、どんな時間を過ごしていますか?
    (趣味の時間は取れていますか? 家族やパートナーと、穏やかな時間を過ごせていますか?)
  • □ 1年後、あなたの心と身体は、どんな状態ですか?
    (心から笑えていますか? 朝、スッキリと目覚められていますか? 身体のどこかに不調を抱えていませんか?)

…いかがでしたか?

もし、これらの質問に、スラスラと、そしてワクワクしながら答えられたなら、素晴らしいことです。
あなたの航海は、順調そのものです。

でも、もし少しでも「うっ…」と詰まってしまったり、具体的なイメージが湧かなかったりしたのであれば、それは大切なサインです。
あなたの船が、「行き先を見失っているよ」と教えてくれているのかもしれません。

でも、どうか自分を責めないでくださいね。
なぜ、そうなってしまうのか。
それには、とても明確な理由があるのです。

【根本原因】
日々の“作業”に追われ、
「未来設計」の時間を取っていない

あなたは毎日、本当に多くのことをこなしています。

朝は予約の確認と準備から始まり、日中は途切れることのないセッションやレッスン。
その合間には、カルテの記入、お客様への連絡、SNSでの発信、タオルやウェアの洗濯、そして掃除。
夜は、明日の準備や、最新の知識を得るための勉強…。

これらは全て、クライアントさんのためを想う、尊い“作業”です。
一つひとつが、あなたのサービスの質を支える大切な要素です。

しかし、私たちは知らず知らずのうちに、この日々の“作業”という名の「目の前の波」を乗りこなすことに必死になってしまいます。
次から次へとやってくる波に対応しているうちに、ふと顔を上げると、自分がどこに向かっているのか分からなくなってしまう。
自分が持っているはずの「羅針盤」や「海図」を見る時間さえ、忘れてしまうのです。

これが、「無計画航海シンドローム」の根本原因です。

あなたの船は、高性能なエンジン(あなたのスキルや情熱)を積んでいます。
でも、「目的地」が設定されていなければ、ただガソリン(あなたの時間とエネルギー)を消費しながら、同じ場所をぐるぐると漂うことになってしまいます。

それは、燃え尽き症候群(バーンアウト)や、「何のために働いているんだろう」という虚しさの、一番の原因になりかねません。

私たちは、意識して「未来を設計する時間」…つまり、自分の船の羅針盤を確認し、目的地(港)を設定する時間を、取る必要があるのです。
それは、日々の“作業”とは全く質の異なる、あなたの人生の舵取りそのものである、最も重要な“仕事”なのです。

【僕の経験談】
僕が、このラボで「未来設計」という言葉を、
何度も使う理由

少しだけ、僕自身の話をさせてください。

今でこそ、こうして皆さんに「未来設計が大切ですよ」なんてお伝えしていますが、かつての僕は、まさに「無計画航海シンドローム」のど真ん中にいました。

独立した当初は、とにかく必死でした。
「来てくださるお客様、一人ひとりを絶対に良くするんだ!」その一心で、朝から晩まで身を粉にして働きました。
おかげさまで、口コミで評判が広がり、予約は常にいっぱいの状態に。
収入も増え、周りからは「順調だね」と言われるようになりました。

でも、僕の心は、なぜかどんどん曇っていきました。
クタクタになって帰宅し、食事もそこそこにベッドに倒れ込む毎日。
休日は、溜まった疲れを取るだけで精一杯。
大好きだったはずの仕事が、いつしか「こなす」だけの“作業”に変わっていました。

ある雨の日の夜、最後のクライアントさんを見送った後、誰もいない静かなスタジオで、僕は一人、椅子に座り込んでしまいました。
窓の外の雨音を聞きながら、ふと涙がこぼれたんです。

「僕は、何のために、こんなにボロボロになってるんだろう…?」

その時、僕の船は、豪華客船のように見えたかもしれないけれど、完全に「行き先のない船」でした。
嵐が来たら、簡単に転覆してしまいそうな、脆い船でした。

その経験があったからこそ、僕は「未来設計」の重要性を痛感したのです。

ある尊敬する先輩経営者に相談した時、こう言われました。
「君の情熱や技術は本物だ。
でも、君自身の『理想の未来』を描けていないんじゃないか?
目的地がなければ、どんなに素晴らしい船も、ただの漂流船だよ」

その言葉に、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けました。
僕はその日から、意識して「自分の未来」を考える時間を作りました。
最初は、何をどう考えていいか分からなかったけれど、「3年後、どんな働き方と暮らしをしていたら、心の底から幸せだと感じられるだろう?」と、自分に問いかけ続けることから始めました。

そして、僕なりの「目的地」…例えば、「週休2.5日を実現し、家族と夕食を囲む時間を大切にする」「どこに行っても改善しない症状を良くすることに特化した、専門性の高いスタジオにする」といった具体的な未来像を描いたのです。

すると、信じられないことが起きました。
今まで「やらなければいけない」と思っていた日々の“作業”が、すべて、その目的地に繋がる「意味のある航路」に見えてきたのです。

・どの勉強会に参加すべきか? → 「アセスメント・ファースト」という目的地に最短で着けるものを選ぼう。

・どんな情報発信をすべきか? → 未来のお客様である「慢性的な症状」を持っている方に響く内容にしよう。

・料金設定はどうすべきか? → 専門性を高めるための自己投資と、理想の働き方を実現するために、自信を持ってこの価格を提示しよう。

「目的地」を描いたことで、日々の選択に一切の迷いがなくなりました。
一つひとつの行動が、未来の自分への投資に変わったのです。
航海は、力強く、そして確かなものになりました。

不安や虚しさが消え、代わりにワクワクするような情熱が、再び心の内に灯ったのです。

だからこそ、僕はあなたにも伝えたい。
「未来設計」は、あなたの素晴らしい才能と情熱を、正しく、そして力強く未来へと導いてくれる、最強の羅針盤になる、と。

【処方箋】
あなただけの「理想の未来」を描く、
シンプルなワーク

さあ、今度はあなたの番です。
あなただけの、最高の航海図を描いていきましょう。

これは、難しい自己分析ではありません。
誰かに評価されるテストでもありません。
あなたの心を解き放ち、「こうなったら最高!」とワクワクするための、楽しい時間です。

【準備するもの】

  • 30分〜1時間、誰にも邪魔されない静かな時間
  • お気に入りのノートとペン (PCやスマホでも構いませんが、手で書くと思考が整理されやすいですよ)
  • ホッと一息つける、好きな飲み物(コーヒー、ハーブティーなど)

準備はいいですか?
リラックスして、深呼吸を一つ。
それでは、魔法の質問を始めます。

シンプルな質問リスト

「できるかどうか」は、一旦、宇宙の彼方に放り投げてください。
「こうなったら、最高に幸せ!」という視点で、自由に、そして具体的に書き出してみましょう。

《STEP 1:1年後のあなた》

【働き方】

  • 1年後の今日、あなたはどんなお客様に囲まれて、どんな言葉をかけられていますか?
    (例:「先生のおかげで、諦めていた趣味を再開できました!」)
  • 理想の1日のスケジュールを、時間を書き込みながら教えてください。
    (例:7時起床、9時〜12時セッション、12時〜14時休憩、14時〜17時セッション、18時には帰宅)
  • 理想の週のスケジュールは?
    (例:週4日勤務、水・日・祝は完全オフ)
  • 年収は、いくらになっていますか?
    そのお金で、どんな素敵なことをしていますか?

【暮らし】

  • 1年後、あなたは誰と、どんな笑顔で食卓を囲んでいますか?
  • 自分のために、どんな時間を使っていますか?
    (例:週に1回は、大好きなカフェで読書する時間がある)
  • 心と身体は、どんな状態ですか?
    具体的な言葉で表現してみてください。
    (例:心が穏やかで、身体が軽やか。
    エネルギーに満ち溢れている)

《STEP 2:3年後のあなた》

【働き方】

  • 3年後、あなたの専門家としての「肩書き」や「強み」はどうなっていますか?
    (例:「産前産後ケアの専門家として、地域で一番に名前が挙がる存在になっている」)
  • 仕事の規模は、どうなっていますか?
    (例:一人でマイペースに?
    それとも、信頼できるスタッフを雇っている?)
  • どんな仲間や同業者と、どんな関係を築いていますか?
  • あなたの理想の「仕事場」は、どんな空間ですか?

【暮らし】

  • 3年後、あなたはどこに住んでいますか?
    どんな家ですか?
  • 年に何回くらい、どこへ旅行に行っていますか?
  • あなたの人生を豊かにする「趣味」や「学び」に、どんな挑戦をしていますか?
  • 大切な人たち(家族、パートナー、友人)を、どんな形で幸せにしていますか?

《STEP 3:5年後のあなた》

【働き方】

  • 5年後、あなたは業界や地域社会に、どんな良い影響を与えていますか?
    (例:後進の育成に携わっている、地域の健康イベントを主催している)
  • あなたの働き方は、さらにどう進化していますか?
    (例:現場の仕事は半分にして、オンラインでの講座や情報発信に力を入れている)
  • あなたが働く「目的」は、どんな言葉で表現できますか?

【暮らし】

  • 5年後、あなたは「お金」や「時間」と、どのように付き合っていますか?
  • 振り返ってみて、「最高の5年間だった」と思えるとしたら、どんな経験を積み重ねてきましたか?
  • あなたの人生における「理想のバランス」(仕事、家族、健康、趣味、学びなど)は、どんな円グラフで描けますか?

書き終えたら、ぜひ、そのノートを何度も見返してみてください。
できれば、毎日目にする場所に貼っておくのがおすすめです。

これが、あなたの「未来の海図」です。

この海図があれば、明日からの日々の“作業”が、未来に繋がる意味のある一歩へと変わっていくはずです。
情報収集のアンテナの感度も、人との出会いの意味も、全てが変わって見えてきます。

もちろん、航海の途中で目的地が変わったり、新しい島(目標)を見つけたりしてもいいのです。
大切なのは、「自分は今、どこを目指しているのか」を、自分自身が知っていること。

あなたの船の船長は、あなたです。
さあ、あなたの手で、希望に満ちた最高の航海図を描き、力強く、ワクワクするような未来へ向かって、船を進めていきましょう。

心から、あなたの航海を応援しています。

終章:
あなたのサロンの“健康”と、
“本当の豊かさ”のために

長い旅路を、ここまで共に歩んでくださり、本当に、本当にありがとうございます。

第一章から第五章まで、私たちはあなたの経営や働き方に潜む、5つの「病」について一緒に見つめてきました。
もしかしたら、耳の痛い話もあったかもしれません。
「これは、まさに私のことだ…」と、胸がチクリと痛んだ瞬間もあったかもしれません。

それでも、ご自身のサロンと真摯に向き合い、ここまで読み進めてくださったあなたのその姿勢こそが、誰にも真似できない、素晴らしい才能であり、未来を切り拓くための最初の、そして最も大きな一歩です。

この終章では、これまでの旅の締めくくりとして、あなたのサロン、そしてあなた自身の人生を、真に“健康”で“豊か”なものにしていくための、最後の、そして最も大切なメッセージをお届けしたいと思います。

5つの病から、
あなたのサロンを救い出す、
最初のステップ

私たちは、これまでに5つの「病」を診断してきました。

  • 【病①】安売りマインド ― 自分の価値を信じきれず、価格に自信が持てない病。
  • 【病②】伝わらない専門性 ― 素晴らしい技術があるのに、それを言葉で伝えられない病。
  • 【病③】自己流マーケティング ― 集客の地図を持たず、闇雲に努力してしまう病。
  • 【病④】職人かたぎ ― 最高の職人でありながら、経営者としての視点を持てない病。
  • 【病⑤】無計画航海シンドローム ― 行き先のない船に乗り、未来への不安を抱える病。

これらを見て、「うわぁ、自分はほとんど当てはまるかもしれない…」と、落ち込んでしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、どうか安心してください。
これは、あなただけが特別に抱えている問題ではありません。

多くの、真面目で、誠実で、心優しいセラピストやトレーナーたちが、同じように悩み、立ち止まってきた道なのです。

大切なのは、これらの病を自覚できた、ということです。
それだけで、あなたのサロンは回復への道を歩み始めています。

では、これらの病から、あなたのサロンを救い出すために、まず何から始めればいいのでしょうか。

その、たった一つにして、最も重要な「最初のステップ」

それは、「完璧を目指さず、たった一つでいいから、今すぐできそうなことから、小さく始めてみること」です。

なぜなら、あまりにも高い目標を掲げてしまうと、その道のりの長さに圧倒され、私たちは動けなくなってしまうからです。
「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と思っているうちに、結局何も手につかず、自己嫌悪に陥ってしまう…そんな経験、ありませんか?

そうではなくていいんです。
本当に、赤ちゃんの一歩(ベビーステップ)でいい。

例えば…

  • もし「安売りマインド」が気になるなら、いきなり全メニューを値上げしなくていい。
    まずは、一番人気のメニューだけ、勇気を出して500円だけ上げてみる。
    それだけでいいんです。
  • 「伝わらない専門性」に悩んでいるなら、完璧な説明文を考えなくていい。
    次のお客様に「今日は、〇〇という筋肉にアプローチして、△△な状態を目指しましょうね」と、一言だけ具体的に付け加えてみる
    それだけでいいんです。
  • 「無計画航海シンドローム」を感じているなら、壮大な事業計画書は要りません。
    今日の寝る前に、たった5分だけ、お気に入りのノートに「1年後、こんな自分でいられたら最高だな」と、思いつくままに書き出してみる。
    それだけでいいんです。
その「小さな一歩」が、驚くほどの力を秘めています。
小さな成功体験は、「私にもできるんだ!」という自信(自己効力感)を育ててくれます。
その自信が、次の、もう少しだけ大きな一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。

焦らなくて大丈夫。
あなたのペースで、あなたにできることから。
その小さな一歩の積み重ねが、やがて振り返った時に、とてつもなく大きな変化となって、あなたを驚かせることになるはずです。

利益とは、
健康的な経営の“結果”として、
自然とついてくるもの

この連載を通して、「経営」や「利益」という言葉をたくさん使ってきました。
もしかしたら、人の身体や心に寄り添う仕事をしているあなたにとって、「利益」という言葉には、少し抵抗があるかもしれません。
「お金儲けがしたいわけじゃない」「クライアントさんに喜んでもらうのが一番だ」と。

その気持ちは、本当に尊く、素晴らしいものです。
どうか、その想いをずっと大切にしてください。

その上で、少しだけ「利益」という言葉のイメージを、一緒に塗り替えてみませんか?

私たちが考える「利益」とは、単なるお金のことではありません。
それは、「あなたが提供した価値と、クライアントさんからの“ありがとう”という感謝の気持ちが、形になったもの」です。

そして、その利益は、あなたのサロンとあなた自身が、より良いサービスを提供し続けるために不可欠な“血液”のようなものなのです。
血液がなければ、どんなに素晴らしい心臓(あなたの情熱)も、脳(あなたの知識)も、手足(あなたの技術)も、正常に機能し続けることはできません。

私たちが目指すべきは、「利益を追い求める経営」ではありません。
私たちが目指すべきは、「健康的な経営」です。

「健康的な経営」とは、以下の3つが満たされている状態です。

  1. あなた自身が、心身ともに“健康”であること。
    (十分な休息、プライベートの充実、未来への希望)
  2. クライアントが、あなたのサービスによって“健康”になっていること。
    (悩みの解決、目標の達成、生活の質の向上)
  3. サロンの経営(お金の流れ)が、“健康”であること。
    (学びや設備への再投資、あなた自身の生活基盤の安定)

この3つの“健康”が、美しく循環し始めたとき、利益は、あなたが必死に追いかけなくても、“結果”として、ごく自然についてくるものに変わります。

あなたが心身ともに健康で、エネルギーに満ち溢れていれば、クライアントさんへ提供するサービスの質は自ずと高まります。
質の高いサービスを受けたクライアントさんは、心から満足し、喜んでその対価を支払い、あなたのファンとしてリピートし、大切なご友人を紹介してくださるでしょう。
そして、そこで生まれた健全な利益(血液)を、あなたは新たな学びやより良い環境づくりに再投資し、さらにサービスの質を高めていくことができる…。

この、どこにも無理がなく、関わる人すべてが幸せになる「健康の好循環」。
これこそが、私たちが考える“本当の豊かさ”
です。

それは、通帳の数字が増えるだけの豊かさではありません。
クライアントからの深い信頼、仕事への揺ぎない誇り、自己成長を実感する喜び、そして、大切な人と過ごす自由な時間。
そのすべてを含んだ、温かく、人間らしい豊かさなのです。

あなたのサロンが、そしてあなた自身の人生が、心からの笑顔と、本当の豊かさで満たされることを、心から願っています。

あなたの航海が、光り輝くものでありますように。

P.S. あなたの経営を“健康”にするための、
具体的な“特効薬”について

さて、ここまでお付き合いくださったあなたは、もうご自身の力で、その「健康の好循環」へと歩み出すための、たくさんのヒントとエネルギーを、その内に秘めているはずです。

ただ、もし、ほんの少しでも、こう感じているとしたら。

「一人でこの道を歩き出すのは、やっぱり少し不安だ…」
「もっと早く、もっと確実に、この状況から抜け出すための“近道”があるなら知りたい」

そんなあなたのために、もしお役に立てることがあるとすれば、私たちが提供している具体的な「特効薬」について、少しだけご紹介させてください。

もちろん、無理にお勧めするつもりは一切ありません。
これは、あくまで選択肢の一つです。
あなたのサロンの“健康状態”に合わせて、「こんなお薬もあるんだな」という気持ちで、気楽に聞いていただければ幸いです。

【処方箋①】
収益性の高い、健康な“サービス”を創るための特効薬

もしあなたが、「安売りマインドから抜け出したい」「職人から脱皮し、専門家として圧倒的な強みが欲しい」と感じているなら、IASTMセミナー(器具を用いた筋膜リリース技術)が、強力な特効薬になるかもしれません。

なぜ、特効薬なのか?
IASTMは、客観的な効果(可動域の改善など)がその場で分かりやすく、クライアントさんの納得度と満足度が非常に高い技術です。
そのため、「なんとなく良くなった」ではなく、「これだけ変わったから、この価格なんです」と、あなた自身が揺ぎない自信を持って、高い価値を提供できるようになります。
これは、「安売りマインド」という病に対する、最も直接的な処方箋です。
また、セラピスト自身の指や身体への負担を軽減してくれるため、あなた自身の“健康”を守りながら、長くこの仕事を続けていくための、賢い投資にもなります。

【処方箋②】
集客という“循環器系”を、健康にするための特効薬

もしあなたが、「専門性は伝わらないと意味がない」「自己流の集客に疲れ果ててしまった」と感じているなら、あなたの想いを正確に届けるためのホームページ制作が、経営の“循環器系”を整える特効薬となります。

なぜ、特効薬なのか?
ホームページは、単なるパンフレットではありません。
それは、24時間365日、あなたの代わりに働き続け、あなたの想いや専門性を、未来の理想のお客様に届け続けてくれる、最高の営業マンです。
流れ去っていくSNSとは違い、お客様の声やブログといった価値ある情報(コンテンツ)を資産として蓄積していくことで、サロンの信頼性を高め、安定した集客という“太い血流”を生み出します。
これは、不安定な「自己流マーケティング」という病を根本から治療し、健康な経営基盤を築くための、最も確実な処方箋です。

改めてお伝えしますが、これらは、あなたが「変わりたい」と本気で願い、そのための具体的な方法を探している場合にのみ、有効な処方箋です。

大切なのは、あなたがあなた自身のサロンの「主治医」になる、という意識です。
ご自身の状態を正しく診断し、最適な処方箋を選び、行動に移していくこと。

私たちは、そのプロセスに寄り添い、あなたの挑戦を全力でサポートする準備ができています。

長い旅は、これで終わりです。
しかし、あなたの新しい航海は、ここから始まります。

あなたのサロンが、そしてあなた自身の人生が、心からの笑顔と、本当の豊かさで満たされることを、心から願っています。

あなたの航海が、光り輝くものでありますように。

最後まで長い文章を読んでくださり、ありがとうございました^^

ーTatsu

「黄金の羽」を集める旅を続ける
(次‐第18章を読む)

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タツ(33歳)。妻子あり。 開業当初の大きなプレッシャーを、SNSに頼らない**「静かなWeb集客」**で乗り越え、経済的自由を実現しました。 「開業したのに、お金の不安で心が休まらない」 そんな過去の自分と同じ"不幸の種"をなくしたい一心で、僕の経験の全てをこのラボで発信しています。あなたの未来を設計するヒントを見つけてください。

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