はじめに:Webサイトの価値を最大化する「基盤構築」
こんにちは。
『からだ職の「まったり」未来設計ラボ』のTatsuです。
あなたは今、ご自身の事業のデジタル拠点となる、Webサイトの土台を手に入れた状態です。
Webサイト制作を家づくりに例えるなら、今行うべきは壁紙や家具を選ぶこと(デザイン)ではありません。
そのサイトが長期的に安定して機能し、ビジネス資産としての価値を最大化できるよう、構造的な基盤を構築することが最優先事項です。
この講座では、その「基盤構築」にあたる、インストール後に必ず行うべき3つの重要な初期設定について、なぜそれが必要なのかという技術的な理由と、SEO(検索エンジン最適化)への影響を交えながら、詳細に解説します。
この最初のわずかな設定が、将来のWebサイトのパフォーマンス、セキュリティ、そして検索エンジンからの評価を大きく左右する、極めて重要なステップとなります。
第一章:パーマリンク設定 ― URL構造の最適化とSEO的意義
インストール後、記事を一つも投稿する前に、真っ先に行うべき最も重要な設定が、このパーマリンク設定です。
後から変更すると多大なデメリットが生じるため、必ず最初に行ってください。
パーマリンクとは何か?
パーマリンク(Permalink)とは、”Permanent Link”(恒久的なリンク)の略語で、Webサイト内の各ページ(投稿や固定ページ)に個別に設定されるURLのことです。
WordPressをインストールした直後のデフォルト状態では、多くの場合、投稿ページのパーマリンクは以下のような形式になっています。
デフォルトのURL(非推奨): https://あなたのサイト.com/?p=123
これは「プレーン」または「素のパーマリンク」と呼ばれ、データベース内の投稿ID(この場合 123)をパラメーターとしてURLに含める動的な形式です。
このままでは、URLを見ただけでは人間にも検索エンジンにも、そのページに何が書かれているのか全く伝わりません。
なぜパーマリンク設定がSEOにおいて最重要なのか?
このURL構造を最適化することが、SEOにおいて極めて重要である理由は、大きく3つあります。
- 検索エンジンへのシグナル(クローラビリティの向上)
Googleなどの検索エンジンは、URLをコンテンツの内容を理解するための重要な手がかり(シグナル)の一つとして利用します。
URL内にページ内容と関連性の高いキーワードが含まれていると、検索エンジンはそのページを特定のトピックについて書かれたものだと認識しやすくなります。最適化されたURLの例:https://あなたのサイト.com/back-pain-stretchこのURLは、「腰痛(back-pain)」と「ストレッチ(stretch)」に関するページであることを明確に示しており、検索エンジンのクローラー(情報収集ロボット)にとって非常に分かりやすい構造です。 - ユーザー体験(UX)とクリック率(CTR)の向上
検索結果ページ(SERPs)やSNSでURLが共有された際、ユーザーはURLを見て、そのリンク先の内容を無意識に判断しています。
意味不明な数字の羅列よりも、内容が推測できるキーワードが含まれたURLの方が、ユーザーに安心感を与え、クリックされる確率(CTR)が高まります。
URLの分かりやすさは、ユーザーの信頼に直接繋がるのです。 - サイト内構造の明確化
適切に設定されたパーマリンクは、サイト全体の情報構造を論理的に示す役割も果たします。
例えば、カテゴリー構造をURLに含めることで(例:/seitai/back-pain/)、ユーザーと検索エンジンは、そのページがサイト内でどのような位置づけにあるのかを理解しやすくなります。
【実践】推奨されるパーマリンク設定の手順
この設定は数クリックで完了しますが、その効果は絶大です。
- WordPress管理画面の左側メニューから「設定」にカーソルを合わせ、「パーマリンク設定」をクリックします。
- 「共通設定」の中から「投稿名」のラジオボタンを選択します。
- ページ下部の「変更を保存」ボタンをクリックします。
たったこれだけで、今後の投稿ページのURLは、 https://あなたのサイト.com/サンプル投稿/ という形式が基本となります。
なぜ「投稿名」が最適なのか?
他の選択肢(「日付と投稿名」など)は、URLに日付情報が含まれます。
これはニュースサイトには有効ですが、普遍的な情報を扱うことの多い「からだ職」のブログでは、情報が古くなったという印象を与えかねません。
また、後から記事をリライト(情報更新)した場合に、URLの日付と内容が一致しなくなる問題も生じます。
「投稿名」は、最もシンプルで、キーワードを含めやすく、情報が陳腐化しないため、多くのビジネスサイトで推奨される形式です。
投稿ごとのURL(スラッグ)編集の重要性
「投稿名」に設定すると、投稿を作成する際に、日本語で入力したタイトルが自動的にURLになります。
例:タイトル「浦和でできる!腰痛改善ストレッチ5選」
→ 自動生成されるURL: https://あなたのサイト.com/浦和でできる!腰痛改善ストレッチ5選/
この日本語URLは、一見分かりやすいですが、コピーしてテキストエディタなどに貼り付けると、%E6%B5%A6%E5%92%8C%E3%81%A7%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B... のようにエンコード(変換)され、非常に長大で読みにくい文字列になってしまいます。
これはSEOやユーザビリティの観点から好ましくありません。
そのため、投稿ごとにURLの末尾部分(これを「スラッグ」と呼びます)を、簡潔な半角英数字に手動で編集することが非常に重要です。
スラッグの編集方法
投稿編集画面の右側メニュー(またはタイトル下)にある「URL」または「パーマリンク」の項目から、スラッグを編集できます。
スラッグ編集のポイント
- 英語またはローマ字で記述する: ページの核心となるキーワードを簡潔に表現します。
(例:urawa-backpain-stretch-5) - 単語間はハイフン
-で繋ぐ: Googleはハイフンを単語の区切りとして認識します。
アンダースコア_は使わないでください。 - 短く、具体的に: a, the, in といった意味のない単語(ストップワード)は省略し、2〜4語程度にまとめるのが理想です。
【最重要注意点】
パーマリンクの共通設定は、Webサイトを公開し、記事を書き始める前に必ず一度だけ行ってください。
サイト運営の途中でこの設定を変更すると、既存のすべてのページのURLが変更されてしまいます。
これは、GoogleからのSEO評価がリセットされたり、SNSなどからの外部リンクが全てリンク切れ(404エラー)になったりする、致命的な事態を引き起こします。
第二章:一般設定 ― サイトの基本情報とアイデンティティの定義
次に、あなたのWebサイトが「何者であるか」を検索エンジンとユーザーに正確に伝えるための、基本的な情報を設定します。
サイトのタイトルとキャッチフレーズの役割
これらはWebサイトの最も基本的なアイデンティティ情報であり、検索結果の表示にも直接影響します。
- サイトのタイトル
これは、あなたのWebサイトの公式名称です。
ブラウザのタブや、検索結果のページのタイトル(titleタグ)の主要な部分として表示されます。
単なる屋号だけでなく、「【浦和の整体】〇〇姿勢改善Lab」のように、地域名や主要なサービス内容を含めることで、SEO効果とユーザーへの訴求力を高めることができます。 - キャッチフレーズ
サイトのタイトルを補足説明するための短い説明文(タグライン)です。
あなたが「誰の、どのような課題を解決する場所なのか」というUSP(Unique Selling Proposition)を明確に記述します。
このキャッチフレーズは、テーマによっては検索結果のページ概要(メタディスクリプション)として表示されることもあり、クリック率に影響を与えます。
【実践】サイトの基本情報を設定する手順
- 管理画面の左側メニューから「設定」→「一般」をクリックします。
- 「サイトのタイトル」に、決定した正式名称を入力します。
- 「キャッチフレーズ」に、サイトのコンセプトを簡潔に記述します。
(例:理学療法士が教える、持続可能なコンディショニング) - 「WordPressアドレス (URL)」と「サイトアドレス (URL)」は、絶対に触らないでください。
ここのURLがhttps://から始まっていることを確認するだけで十分です。 - 「管理者メールアドレス」が、日常的に確認できる正しいメールアドレスになっているかを確認します。
WordPressの重要な通知(アップデート、コメント通知など)がここに届きます。 - 「タイムゾーン」を「東京」に設定します。
これにより、予約投稿などが日本標準時で正しく機能します。 - ページ下部の「変更を保存」ボタンをクリックします。
第三章:ディスカッション設定 ― セキュリティとサイト健全性の確保
最後に、サイトの健全性を保ち、運営者の負担を軽減するための設定です。
コメントスパムの脅威とその影響
WordPressサイトを公開すると、ほぼ100%の確率で、海外のボット(自動化プログラム)によるコメントスパムに遭遇します。
これらは、自サイトへのリンクを貼ることによる被リンク獲得を目的としたもので、無関係な広告や不適切な内容が含まれることがほとんどです。
コメントスパムを放置すると、以下のような深刻なデメリットが生じます。
- ユーザー体験の低下:スパムコメントが多いサイトは、管理が行き届いていない印象を与え、ユーザーの信頼を損ないます。
- セキュリティリスク:スパムコメント内のリンクが、ウイルス配布サイトやフィッシングサイトに繋がっている可能性があります。
- SEOへの悪影響:低品質なサイトへの発リンクが大量に生成されることは、Googleからのサイト評価を下げる要因になり得ます。
- データベースの肥大化:大量のスパムデータがデータベースを圧迫し、サイトの表示速度低下に繋がる可能性があります。
推奨されるコメント管理戦略
独立開業初期の多忙な時期に、日々大量に届くスパムコメントの承認・削除作業に時間を費やすのは非効率です。
顧客とのコミュニケーションは、別途設置する「お問い合わせフォーム」やLINE公式アカウントなど、管理しやすいチャネルに集約するのが合理的です。
そこで、最もシンプルかつ効果的な初期設定として、デフォルトでコメント機能を無効化することを推奨します。
【実践】コメント機能を制御する具体的な手順
- 管理画面の左側メニューから「設定」→「ディスカッション」をクリックします。
- 「投稿のデフォルト設定」セクションにある「新しい投稿へのコメントを許可する」のチェックを外します。
- (任意)既存の投稿(初期状態で存在する「Hello world!」など)のコメントも一括で無効にしたい場合は、「コメント表示条件」セクションの「〇日以上前の投稿のコメントを自動的に閉じる」にチェックを入れ、日数に「1」などを入力します。
- ページ下部の「変更を保存」ボタンをクリックします。
これで、今後作成する記事にはコメント欄が表示されなくなり、スパムコメントに悩まされることがなくなります。
補足:コメント機能を利用する場合の必須対策
将来的にコメント欄を設けてユーザーとの交流を図りたい場合は、必ず以下の設定や対策を行ってください。
- コメントの承認制:「コメントの手動承認を必須にする」にチェックを入れる。
- アンチスパムプラグインの導入:WordPressに標準でインストールされている「Akismet Anti-Spam」を有効化するか、Googleの「reCAPTCHA」を導入するなどの対策が必須です。
これらは、ボットによる自動投稿を高い精度でブロックしてくれます。
おわりに:堅牢なサイト基盤の完成
おめでとうございます。
これで、あなたのWordPressサイトの、最も重要な「構造的な初期設定」は、すべて完了しました。
- URL構造の最適化(パーマリンク設定)
- サイトの公式情報の定義(一般設定)
- スパム対策と健全性の確保(ディスカッション設定)
これらの設定により、あなたのサイトは、検索エンジンとユーザー双方から正しく認識され、長期的に安定して運営していくための、堅牢な基盤が整いました。
一見地味な作業ですが、この基盤があるからこそ、この先に追加していくコンテンツやデザインが、その価値を最大限に発揮できるのです。
次の講義では、いよいよこの基盤の上に、サイト全体のデザインと骨格を決める、創造的で楽しい「テーマ選び」のステップへと進んでいきましょう。
P.S.
この「基盤」の上に、どんな「宝物(コンテンツ)」を置き、どんな「王様(あなた)」が住むのか。
それが、お客様が、あなたの城を訪れる、本当の理由になります。
あなたの「専門性」という、最高の宝物を磨き上げたいなら、「日本IASTM筋膜リリース協会」のセミナーが。
そして、あなたの「人柄」という、最高の魅力を伝えるための城作りそのものに、不安があるなら、「高品質ホームページも制作」が、あなたの力になります。
最後までお読み下さりありがとうございました^^
ーTatsu


