こんにちは♬
『からだ職の「まったり」未来設計ラボ』のTatsuです^^
「理学療法士としての、この深い医学的知識と臨床経験を、もっと自由に、もっと直接的に、本当に困っている人のために使いたい」
病院や施設で働く、志の高い理学療法士(PT)であるあなたは、きっと、そう強く願っていることでしょう。
そして、その情熱が、あなたを「独立開業」という、輝かしい未来へと突き動かしているのかもしれません。
しかし、その夢への道を調べ始めた時、あなたは一つの、冷たく、そして分厚い壁にぶつかったはずです。
「理学療法士には、開業権がない」
という、あまりにも重い、現実の壁に。
「じゃあ、独立するという夢は、諦めるしかないのか…?」
いいえ、決してそんなことはありません。
この記事は、その法律の壁の「本当の意味」を正しく理解し、それを乗り越え、理学療法士という最強の武器を携えたまま、安全に、そして賢く「整体師」として独立開業するための、完全な航海図(ロードマップ)です。
僕自身、柔道整復師という国家資格を持ちながら、あなたと全く同じように、法律のグレーゾーンや、表現の難しさと向き合い、自費の世界で開業した経験があります。
その実体験から得た、具体的な注意点と、成功への道筋を、余すところなくお伝えします。
【重要:はじめにお読みください】
この記事は、2025年10月現在の情報と僕の実体験に基づき、可能な限り正確な情報を提供するよう努めていますが、法律的な助言ではありません。
最終的な事業判断や、法的な手続きを行う際は、必ず弁護士や行政書士、管轄の保健所などの専門機関にご相談ください。
全ての土台。「開業権がない」の本当の意味
まず、全ての議論の土台となる、この言葉の正しい理解から始めましょう。
「理学療法士に開業権がない」とは、理学療法士及び作業療法士法において、「医師の指示」なしに「理学療法」を提供し、診療報酬(保険)を得ることができない、という意味です。
つまり、あなたが「〇〇理学療法クリニック」といった看板を掲げ、病院のように、医師の指示なく、医療行為としての「理学療法」を提供することは、法律で明確に禁じられています。
これが、動かせない大前提であり、「真実」です。
では、独立は不可能なのか?(いいえ、違います)
「なんだ、やっぱり無理じゃないか…」
そう思うのは、少しだけ待ってください。
法律が制限しているのは、あくまで「理学療法」という“医療行為”を、医師の指示なく行うことです。
「理学療法士という資格を持つ人間が、独立して、事業を営んではいけない」とは、一言も書かれていないのです。
ここに、私たちの進むべき、光に満ちた道があります。
独立は、可能です。
ただし、それには、提供するサービスの内容と、その伝え方を、根本から変えるという、戦略的な視点が必要不可欠になります。
現実的な選択肢。架け橋としての「整体師」という道
そこで、多くの先輩たちが選んできたのが、「整体師」として、あるいは「コンディショニングサロン」といった形で、医療ではなく、ウェルネスや健康増進の領域で、サービスを提供するという道です。
これには、大きなメリットと、同時に大きなリスクが伴います。
最大のメリット:圧倒的な「信頼性」
あなたの最大の武器は、国家資格者として培った、解剖学や運動学に関する深い医学的知識です。
これは、他の多くの整体師にはない、絶対的な強みです。
お客様は、「元・理学療法士の先生」というだけで、絶大な安心感と信頼を寄せてくれます。
最大のリスク:無意識に「法律の境界線」を越えてしまう危険性
あなたの知識が深いからこそ、無意識のうちに、お客様の症状に対して「診断」まがいのことを言ってしまったり、「治療」という言葉を使ってしまったりする危険性があります。
これが、後述する法律違反に繋がる、最も注意すべき点です。
綱渡りの作法:独立した「からだ職」が絶対に守るべき法律
自費の世界で活動する上で、あなたの身を守るために、最低限知っておくべき法律が4つあります。
医師法:「診断」「治療」は、医師だけの聖域
「あなたのその痛みは、椎間板ヘルニアが原因ですね」といった「診断」行為や、「この施術で、あなたのヘルニアを治します」といった「治療」を謳うことは、医師法に違反します。
あはき法・柔整法:「マッサージ」という言葉の罠
「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師」以外の者が、「マッサージ」という言葉を広告やメニューに使うことはできません。
「オイルトリートメント」「ボディケア」など、言葉を工夫する必要があります。
景品表示法:「必ず良くなる」は、言ってはいけない
「たった一回で、あなたの長年の腰痛が“必ず”消えます!」といった、効果を過剰に保証する表現は、景品表示法違反(優良誤認表示)にあたる可能性があります。
医療法(医療広告ガイドライン):専門家だからこその注意点
あなたは医療機関ではありませんが、元理学療法士という経歴を謳う以上、医療広告ガイドラインの考え方を参考に、表現には細心の注意を払うべきです。
「日本一の〇〇」「最高の技術」といった、客観的な事実に基づかない表現は避けましょう。
実践編:失敗しないための「やるべきこと・やってはいけないこと」リスト
では、具体的に、あなたのサロン運営で何をすべきで、何をすべきでないのか。
僕自身の失敗談も交えながら、チェックリスト形式で見ていきましょう。
僕の失敗談
開業当初の僕は、これらの法律への知識が乏しく、ホームページに「あなたの腰痛、治します!」と、今思えばゾッとするような言葉を平気で書いていました。
幸いにも問題にはなりませんでしたが、一歩間違えれば、廃業に追い込まれていたかもしれません。
□ 屋号(サロン名)
OK例: 「〇〇コンディショニング」「姿勢改善サロン〇〇」「ボディケアスタジオ〇〇」
NG例: 「〇〇理学療法院」「〇〇リハビリセンター」「〇〇クリニック」
□ プロフィールでの肩書き
OK例: 「理学療法士として10年間、病院で勤務。
その医学的知識を活かし、現在は〇〇を提供しています」「国家資格である理学療法士の資格を保有」
NG例: 「理学療法士の〇〇です」(まるで、そこで理学療法を提供しているかのように誤解されるため)
□ メニュー名
OK例: 「全身調整コース」「肩こり集中ケア」「パフォーマンスアップサポート」
NG例: 「腰痛治療」「五十肩のリハビリ」「坐骨神経痛の改善」
□ ホームページ・広告での表現
使っても良い言葉(セーフ): 緩和, ケア, サポート, コンディショニング, 整える, 楽にする, パフォーマンス向上
使ってはいけない言葉(アウト): 治療, 治す, 診断, リハビリ, 完治
□ お客様への説明
OK例: 「〇〇さんの身体の状態は、〜という可能性が考えられますね。
そのバランスを整えるお手伝いをします」
NG例: 「あなたは、〇〇という病気です。
私が治します」
この「言葉選び」のセンスこそが、法律を守り、かつお客様からの信頼を得るための、最も重要なスキルです。
終章:制限を、最強の武器に変える
ここまで読んで、「制約だらけで、息苦しい…」と感じたかもしれません。
しかし、僕は、この状況を「新しい自由」と捉えるべきだと考えています。
「治療」や「リハビリ」という言葉が使えないからこそ、私たちは、もっと自由な発想で、自分たちの価値を定義できるのです。
私たちは、単なる「治療家」ではありません。
お客様の人生のパフォーマンスを高める「コーチ」であり、理想の未来を共に設計する「パートナー」なのです。
P.S.
あなたの独立開業という、素晴らしい挑戦を、具体的な「武器」でサポートさせてください。
その新しい道を切り拓く上で、「① 他の誰とも違う、圧倒的な専門技術」は、あなたの自信の核となります。
僕が主宰する「日本IASTM筋膜リリース協会」のセミナーは、「筋膜」という、非常に深く、かつ「治療」ではなく「コンディショニング」として語りやすい分野で、あなたの臨床に、新しい武器を与えてくれるかもしれません。
そして、その素晴らしい価値を、法律を守りながら、世界に伝えるための「② 信頼される発信基地(ホームページ)」。
僕自身が、高額な契約で失敗し、遠回りした経験から、「開業を助ける、破格の価格で高品質ホームページも制作」で、あなたの起業という、最初の大きな一歩を、安全な航海へと導きます。
どちらも、あなたの「どう実現するか?」という問いへの、具体的な答えです。
必要な時に、思い出していただけたら幸いです。
最後までお読み下さりありがとうございました^^
ーTatsu


