はじめに:「好き」を仕事にしたはずが、なぜか“労働”に殺されていませんか?
「笑顔や『ありがとう』が、何よりのやりがいだ」
「自分の持てる技術と知識で、誰かの人生に貢献したい」
そんな熱い想いを胸に、あなたは独立という大きな一歩を踏み出したはずです。
理学療法士、整体師、ヨガやピラティスのインストラクター、パーソナルトレーナー…。
呼び名は違えど、私たちは皆、人の心と身体に寄り添う、誇り高い専門家です。
それは、会社員時代には得られなかった、大きな自由と可能性を手に入れる、輝かしい道のはずでした。
…しかし、現実はどうでしょうか?
ふと我に返ったとき、「自由」とは名ばかりの、見えない鎖に縛られていませんか?
燃えるような「情熱」を、日々の“労働”が少しずつ削り取っていくような、そんな感覚に陥っていませんか?
もし、あなたがこの問いに少しでも心がざわついたなら、この先を読み進めてください。
これは、誰か遠い国の成功者の話ではありません。
かつて、あなたと全く同じ場所で、同じようにもがき苦しんでいた、「僕自身の物語」であり、そして「あなたの未来を変えるための物語」だからです。
第1章:なぜ、僕たちは「足し算」の罠にハマるのか?
開業当初の僕のサロンは、まるで「ごちゃ混ぜの鍋」のようでした。
メニューは15種類以上。
整体、ストレッチ、トレーニング指導、果ては物販まで。
集客は、ブログ、Facebook、Twitter、チラシ配り…思いつくもの全てに手を出しました。
なぜなら、怖かったからです。
何が正解か分からないから、とりあえず全部やる。
自分に自信がないから、メニューの多さや、活動量の多さで、それを隠そうとする。
ライバルがやっていることは、全部やらなければと、焦る。
その結果、どうなったか。
お客様は、メニューが多すぎて何を選んでいいか分からず、僕の本当の専門性が伝わらない。
僕は、全ての集客活動が中途半端になり、どれも成果が出ない。
そして、心と身体は、常に何かに追われ、疲弊しきっていました。
それは、前に進んでいるように見えて、実は同じ場所で空回りしているだけの、苦しい状態でした。
この「足し算の罠」は、真面目で、責任感の強い専門家ほど、深くハマりやすいのです。
第2章:「引き算」の技術:あなたが最初に“捨てるべき”5つのもの
その失敗のどん底で、僕は一つの決断をしました。
それは、「増やす」のをやめ、「捨てる」ことを始める、という決断でした。
以下に、僕が実際に捨ててきたもの、そして、独立したあなたが最初に捨てるべき、5つのものを紹介します。
捨てるべきもの①:「何でも屋」のプライド
かつての僕は、「どんな症状でもお任せください」がプロだと思っていました。
しかし、それは間違いです。
「何でもできる」は、「何もできない」と同じ。
お客様の心には、何も響きません。
処方箋
あなたの臨床経験の中で、最も情熱を注げ、最も良い結果を出せる、たった一つの分野はなんですか?
理学療法士なら、脳卒中後のリハビリ経験かもしれません。
トレーナーなら、特定のスポーツのパフォーマンスアップかもしれません。
その、あなただけの「一点」を見つけ、それ以外の全てを、勇気を持って「やらない」と決める。
「腰痛専門」「産後骨盤ケア専門」のように、あなたの専門性を一点に絞り込むこと。
それが、その他大勢から抜け出す、最初の引き算です。
捨てるべきもの②:成果の出ない集客活動
あなたは、毎日SNSを投稿することに、疲れていませんか?
その投稿から、実際に何件の予約が入りましたか?
多くの場合、努力と成果が見合っていないはずです。
処方箋
あなたの集客チャネルを全て書き出し、それぞれの効果を冷静に分析してみてください。
そして、最も成果の出ている、上位20%の活動だけに、あなたのリソースを100%集中させるのです。
僕の場合は、それがホームページとブログ(SEO)、そしてGoogleマップ(MEO)でした。
だから僕は、他のSNSを全て捨てました。
あなたの場合は、紹介かもしれませんし、特定のSNSかもしれません。
成果の出ない80%を捨てる勇気が、あなたの時間を生み出します。
捨てるべきもの③:安売りと、複雑な料金体系
初回割引、セット割引、期間限定キャンペーン…。
お客様のためを思って作ったはずの複雑な料金体系が、実はあなたの首を絞めています。
処方箋
思い切って、メニューを1つか、多くても3つに絞り込みましょう。
そして、割引キャンペーンを全てやめ、自信を持った「定価」で、その価値を提供すること。
価格をシンプルにすることで、お客様は迷わなくなり、あなたの覚悟と自信が伝わり、ブランド価値はむしろ向上します。
僕も、15あったメニューを3つに絞り、価格を上げた時が、経営が好転した本当の始まりでした。
捨てるべきもの④:見栄のための固定費
「開業するなら、立派な内装と、最新の機器を揃えなければ…」
その見栄は、あなたの経営を圧迫する、重たい家賃やローンに変わります。
処方箋
お客様が求めているのは、豪華な空間ではなく、清潔な環境と、あなたの技術、そして安心感です。
開業当初は、自宅サロンや、中古の備品、居抜き物件で十分。
身の丈に合った、最小限のコストで始める。
その身軽さが、あなたに「失敗しても大丈夫」という、精神的な余裕を与えてくれます。
捨てるべきもの⑤:「他人」という物差し
これが、最も捨てるのが難しく、そして、最も重要なものです。
SNSで見る、同業者の華やかな成功。
それに比べて、自分は…。
処方箋
他人との比較をやめ、あなた自身の「満足のボーダーライン」を定義すること。
僕にとっての成功は、「月商〇〇万円」ではなく、「週休3日で、家族と笑い、好きな本を読む時間があり、心から信頼してくれるお客様に囲まれていること」です。
あなただけの成功の定義が決まった時、あなたは初めて、他人という物差しから解放され、本当の意味で自由になれるのです。
第3章:“捨てた”後に残るもの:強いビジネスの核
これら5つのものを捨てた時、あなたの手元には、何が残るでしょうか。
そこには、純度100%の、あなたのビジネスの「核」が、磨き上げられた宝石のように輝いているはずです。
- 一点集中した、誰にも負けない「専門性」
- 最も効果的な、ストレスフリーの「集客システム」
- あなたの価値を正しく反映した、シンプルで高収益な「サービス」
- 身軽で、リスクの低い「経営基盤」
- 他人に揺さぶられない、あなただけの「幸福の定義」
これこそが、「まったり」と、しかし「豊かに」、あなたのビジネスを長期的に加速させ続ける、強力なエンジンなのです。
まとめ:最初の「引き算」から始めよう
もし、あなたが今の働き方に重さや、息苦しさを感じているなら。
それは、あなたが無意識のうちに、たくさんの不要なものを背負い込んでしまっているサインなのかもしれません。
この記事で挙げた5つのうち、あなたが「明日、捨てられるもの」は、どれか一つでもありますか?
その小さな「引き算」が、あなたの起業という旅を、驚くほど身軽で、楽しいものに変える、最初のきっかけになるはずです。
P.S.
この「引き算」という、勇気のいる決断を後押ししてくれる、具体的な「武器」について。
捨てるべきもの①で語った、あなたの「専門性」を、誰にも真似できないレベルまで研ぎ澄ませたいなら。
僕が主宰する「日本IASTM筋膜リリース協会」のセミナーが、そのための強力な武器になります。
絶対的な技術という核があれば、他の全てを捨てる勇気が湧いてきます。
そして、捨てるべきもの②で残すべき、最強の「集客資産」であるホームページ。
その構築で悩んでいるなら、僕が「開業を助ける、破格の価格で高品質ホームページも制作」で、あなたの独立という、身軽な船出をサポートします。
どちらも、あなたの「ミニマリズム経営」を加速させるための、心強い味方です。
必要な時に、思い出していただけたら幸いです。


