こんにちは。 『からだ職の「まったり」未来設計ラボ』のTatsuです。
「理学療法士として、独立開業したい。でも、一体、いくらお金があれば…?」
その、あまりにも現実的で、しかし、誰に聞けばいいか分からない問い。 それが、あなたの独立という、素晴らしい夢への第一歩を、躊躇させている最大の原因かもしれません。
ネットで検索すれば、「100万円で開業!」「いや、1000万円は必要だ」と、様々な情報が飛び交い、余計に混乱してしまう。 僕も、そうでした。 柔道整復師として独立を決意したものの、資金計画の知識はゼロ。結果的に、僕は1500万円という、身の丈に合わない大きな借金を背負い、その重圧に、長年苦しむことになりました。
この記事は、そんな過去の僕のような、そして今のあなたのような、志高い理学療法士、整体師、ヨガインストラクター、トレーナーが、お金の不安から解放されるための、**「開業資金の完全解剖図」**です。
巷でよく言われる**「初期費用300万円」という数字を基準に、そのリアルな内訳を、一つひとつ、徹底的に分解していきます。 そして、コストを劇的に抑える「自宅サロン」**という選択肢との比較も行います。 この記事を読めば、あなたは自分だけの、現実的な予算計画を立てられるようになっているはずです。
第1章:2つの道。「テナント開業」と「自宅サロン開業」
まず、あなたの開業スタイルを、大きく2つに分けます。
- テナント開業: 貸店舗を借りて、自分だけの城を構えるスタイル。
- メリット:高い信頼性、公私の分離、事業の拡大可能性。
- デメリット:圧倒的に高い初期費用と、固定費。
- 自宅サロン開業: 自宅の一室を利用して、スモールスタートするスタイル。
- メリット:圧倒的に低い初期費用と、固定費。
- デメリット:プライバシーの確保、生活感の問題、利用できる物件の制約。
この2つの道で、費用がどう変わるのか。具体的に見ていきましょう。
第2章:最大の関門。「物件取得費」という名の巨大な壁
開業資金の中で、最も大きな割合を占めるのが、この物件取得費です。 ここでは、家賃15万円の、小さなテナントを借りるケースを想定してみましょう。
- 保証金(敷金): 家賃の6〜10ヶ月分が相場。
- 15万円 × 6ヶ月 = 90万円
- 礼金: 大家さんへのお礼。家賃の1〜2ヶ月分が相場。
- 15万円 × 1ヶ月 = 15万円
- 仲介手数料: 不動産会社へ支払う手数料。家賃の1ヶ月分。
- 15万円 × 1ヶ月 = 15万円
- 前家賃: 最初の月の家賃。
- 15万円 × 1ヶ月 = 15万円
- 火災保険料など: 約2万円
【テナント開業の場合の合計】約137万円
どうでしょうか。まだ物件を借りただけで、すでに100万円以上の大きなお金が動きます。 これが、独立開業のリアルです。
【自宅サロン開業の場合の合計】0円
言うまでもありませんが、これが自宅サロンの最大のメリットです。この137万円を、そっくり運転資金や自己投資に回すことができるのです。
第3章:あなたの城を創る。「内装・設備費」
次に、その空間を、あなたの仕事場へと変えるための費用です。
- 内装工事費:
- スケルトン物件(何もない状態)の場合: 壁紙、床、電気工事、水道工事など、全て行う必要があり、150万円〜300万円以上かかることも珍しくありません。
- 居抜き物件(前の店舗の内装が残っている状態)の場合: うまく活用すれば、30万円〜100万円程度に抑えることも可能です。
- 備品費: これは、理学療法士や整体師として、最低限必要なものをリストアップしたものです。
- 施術ベッド:5万円〜15万円
- タオルウォーマー、ワゴンなど:5万円
- PC、プリンター、電話、決済端末:15万円
- 待合室の椅子、机、棚などの什器:10万円
- 合計:約35万円〜
僕の失敗談: 僕は、最初に見栄を張り、新品の高級な施術ベッドを買ってしまいました。しかし、お客様が本当に価値を感じるのは、ベッドの値段ではなく、あなたの技術です。最初は、中古のベッドや、最低限の備品で十分。見栄のためのコストは、徹底的に削ぎ落としましょう。
第4章:あなたの存在を知らせる。「広告宣伝費」
最高の場所と、最高の技術があっても、その存在が知られなければ、お客様は一人もやってきません。
- ホームページ制作費: 僕が300万円の失敗をした、最も重要な項目です。
- 格安テンプレート業者:5万円〜30万円
- 一般的な制作会社:30万円〜100万円以上
- リース契約:絶対にNGです。
- チラシ・名刺・パンフレット制作費: 5万円〜10万円
- 看板制作費(テナントの場合): 10万円〜30万円
【テナント開業の場合の合計】約50万円〜
第5章:あなたの命綱。「運転資金」という名の、心の平穏
これが、多くの起業家が見落とし、そして廃業していく、最も重要な資金です。
運転資金とは、開業当初、売上がまだ安定しない時期に、事業を継続し、あなた自身が生活していくための命綱です。
- 最低限必要な期間: 最低でも3ヶ月分。理想は半年分。
【半年分の運転資金の計算例】
- テナント家賃:15万円
- 水道光熱費・通信費など:5万円
- あなた自身の生活費:25万円
- 合計:45万円/月
- 45万円 × 6ヶ月 = 270万円
どうでしょうか。この「運転資金」の重要性、お分かりいただけたでしょうか。 このお金があるかないかで、あなたの開業後の「心の平穏」は、全く別のものになります。
結論:合計金額と、資金調達の方法
それでは、全てを合計してみましょう。
【テナント開業の場合の、リアルな初期費用】
- 物件取得費:137万円
- 内装・設備費(居抜きで安く見積もって):80万円
- 広告宣伝費:50万円
- 小計:267万円
- 運転資金(3ヶ月分):135万円
- 【総合計】402万円
「300万円」という数字は、運転資金を少し切り詰めれば、決して非現実的な数字ではないことが分かります。
【自宅サロン開業の場合】
- 初期費用は、備品代と広告費で100万円以下に抑えることも十分に可能です。
これらの資金を、**「自己資金」と「日本政策金融公公庫などからの融資」**を組み合わせて、準備していくことになります。
P.S. この、目に見える数字の準備と同時に、あなたの独立開業を成功させる、目に見えない「武器」を磨くこと。
開業後の売上を左右する、「① 他の追随を許さない、圧倒的な臨床技術」。 僕が主宰する**「日本IASTM筋膜リリース協会」のセミナー**は、あなたの技術力を、自費で十分に通用するレベルまで引き上げる、強力な武器になるかもしれません。
そして、あなたの価値を、世界に伝え続ける**「② 信頼される発信基地(ホームページ)」。 僕が300万円の失敗から学んだ全てを注ぎ込み、あなたの起業という船出をサポートする、「破格の価格で高品質ホームページも制作」**も行っています。
数字の準備と、技術と、発信力。 この3つが揃った時、あなたの未来設計は、盤石なものとなるでしょう。